2011/01/01 有機干し芋、ただいま天日干し中!

サツマイモにとってその生存が厳しい本格的な寒さは、干し芋作りにとっては絶好の日々になります。
干し芋産地での冬型の気候は、朝は厚い氷が張るほど冷え込みますが、日中は晴天になります。冷たい海風が吹いているので、干し場での仕事はつらいですが、美味しい干し芋には欠かせません。
寒い日々が続くことによりサツマイモのデンプンが糖化熟成して行き、寒暖の差が甘みを引き出します。
12月の終わりから2月中旬までは、まさに干し芋の旬です。


じっくり蒸かすのが基本です。今年のサツマイモは、あまさを引き出すために特に時間をかけています。平干し芋・丸干し芋で2時間30分位、角切り芋だと4時間以上の時間をかけます。 干し芋作りで一番手間がかかる所が皮むきです。蒸かしたてのサツマイモは熱々でしかもやわらかく、形もまちまちです。有機サツマイモは形が不ぞろいなので、特に苦労します。
スライスの厚さはその年のサツマイモの出来で決めます。平干しで8~9mm、角切りは18~20mm角の間で決めます。 サツマイモが熱々のうちに皮むきしないと上手くむけません。逆に簾(すだれ)に広げるのは冷めてからでないと、崩れてしまいます。
平干し芋は、晴天ベースで1週間で仕上がります。
簾(すだれ)に並べてから、二回り程小さく、かなり薄くなります。
それだけサツマイモの味が凝縮されています。
干されたサツマイモは薄く小さくなります。 丸干し芋は、3週間から1ヶ月かけて天日干しします。旬の(最も寒い)時期だけでしか作ることができない干し芋です。
稲わらとモミガラで寒さ対策をします。人が作ったものでこれに変わる物は中々ありません。 畑を寝かせている冬の間にも土作りをします。麦を蒔いたり、肥料を入れて土に馴染ませます。

有機栽培でのサツマイモ作りは、まだまだこれからです。普通の栽培に比べて、収穫量は6割程度、形もけっして誉められたものではありません。
農薬と化学肥料に頼らないためには、畑から改良して行くしかありません。長い期間をかけて畑の土作りをしています。
有機干し芋の加工では、加工作業に細心の注意を払います。有機栽培と普通栽培とを明確に分けて干し芋にします。
作る上では、有機サツマイモの美味しさを引き出すために、時間をかけて蒸かし、丁寧に作業し選別をします。
干し芋の旬に合わせて、“安全・安心であること”と“美味しいこと”を両立させることを目指しての有機干し芋作りをしています。