2011/02/01 今年の干し芋は”いずみ”の出来が出色です。

干し芋も農産物加工食品ですから、原料のサツマイモの出来・不出来で、毎年その出来栄えに違いが出てきます。
昨夏の酷暑は干し芋産地でも同じで、日照りと相まって干し芋の原料芋には厳しい気候でした。平年ですとサツマイモの作柄は、焼き芋などの紅あずま等の品種と干し芋用の品種では違いがでることがありませんが、今年はそれぞれの品種で品質に大きな違いが現れました。
一番の特長は、いずみがとても良い出来だということ


平干し芋は、晴天ベースで1週間で仕上がります。
簾(すだれ)に並べてから、二回り程小さく、かなり薄くなります。
それだけサツマイモの味が凝縮されています。
じっくり蒸かすのが基本です。今年のサツマイモは、あまさを引き出すために特に時間をかけています。平干し芋・丸干し芋で2時間30分位、角切り芋だと4時間以上の時間をかけます。 干し芋作りで一番手間がかかる所が皮むきです。蒸かしたてのサツマイモは熱々でしかもやわらかく、形もまちまちです。有機サツマイモは形が不ぞろいなので、特に苦労します。
スライスの厚さはその年のサツマイモの出来で決めます。平干しで8~9mm、角切りは18~20mm角の間で決めます。 サツマイモが熱々のうちに皮むきしないと上手くむけません。逆に簾(すだれ)に広げるのは冷めてからでないと、崩れてしまいます。
干されたサツマイモは薄く小さくなります。 丸干し芋は、3週間から1ヶ月かけて天日干しします。旬の(最も寒い)時期だけでしか作ることができない干し芋です。

有機栽培でのサツマイモ作りは、まだまだこれからです。普通の栽培に比べて、収穫量は6割程度、形もけっして誉められたものではありません。
農薬と化学肥料に頼らないためには、畑から改良して行くしかありません。長い期間をかけて畑の土作りをしています。
有機干し芋の加工では、加工作業に細心の注意を払います。有機栽培と普通栽培とを明確に分けて干し芋にします。
作る上では、有機サツマイモの美味しさを引き出すために、時間をかけて蒸かし、丁寧に作業し選別をします。
干し芋の旬に合わせて、“安全・安心であること”と“美味しいこと”を両立させることを目指しての有機干し芋作りをしています。