2011/08/13 有機畑の草取りです。今年は草が凄い!

平年よりも早い入梅は、序盤はシトシト雨、時折冷たい雨。
その後は雲りが中心の天気で、日を追うに連れて気温が上がり、晴れた日は夏の日差しでした。
梅雨明け宣言がないだけで6月から真夏という天気が続きました。
ある程度のお湿りの後の暑さは、サツマイモも育ちますが、雑草にとっては大歓迎です。
苗を植えてから1ヶ月足らずで、今年は、畑一面を草が覆ってしまうほどの勢いがありました。


苗を植えるために立てた畝(うね)にびっしりと雑草が生えています。遠目からは何の畑かわからない程です。

【生長度合いの違い】
干し芋加工場前の畑は、冬は干し場、春からは育苗と、サツマイモ栽培に使われます。今年は4棟のビニールハウスの内の1棟が育苗で、残りがサツマイモ栽培です。同じ時期に苗を植えても、生長の違いがあります。こちらは同じようにしていても、どこかが違い、それが積み重なって、目に見える差になります。

サツマイモの苗よりも急速に周りの雑草が、サツマイモを取り囲むように、上へ上へと伸びて行きますから、行き場がないサツマイモの苗も、仕方く生き延びるために、日差しうを求めて、直立していました。周りの雑草を取り除くと、無事着地します。苗のうちから試練に耐えて、なんとか伸びようと、上に向かったことに健気さを感じずには入られませんでした。

草取りしていると、伸びた草は根が張っていますから、土がたくさんついてきて、大きな穴が開きます。中にいたコガネムシはたまらず、すぐにもぐろうとします。これよりも小型の色違いのコガネムシに似た虫も土の中にいるのを見かけます。虫も種類が多く多様な生き方をしている様子がみられます。

他の畑の草取りにかかっていて少し(3週間位)ほっておくと、もうサツマイモ畑には見えません。こうなると、これをサツマイモ畑に戻すのは、並大抵の努力ではありません。それでも草取りをするしかないのです。こういう畑の草取りをしていると、除草剤が開発された訳がよくわかります。

自然農の稲作:田植え・草取り

静岡市の山の奥で、自然農に取り組んでいる友人(町田さん)がいます。
茨城の自社農園の有機栽培も意義があることだという自負がありますが、商業的な効率を追うことは避けられません。
それに対して町田さんが取り組んでいる自然農は、人の力と、田んぼの中の自然と、川の水と太陽だけの、本当の自然農です。
とても勉強になるので、今年も体験学習を兼ねて農作業の手伝いに通っています。
5月に苗作りが始まって、6月後半が田植え、7月後半から8月が除草です。

5月にモミ(種)を蒔いた苗場から、苗を一本ずつ分けて行きます。

オフシーズンは草を生やしておきます。田植え直前に草を倒します。苗を植える分だけ草を除けて、草の根を切って、苗を植えます。

茨城の有機農園も多種類の虫達が棲息していますが、自然農の田んぼは畑とは違う小動物がいます。
カエルやヤモリは鳥に次ぐ大きな動物です。

ミミズの多さには驚きです。苗を植えるたびにでてきます。ナメクジが多いのも田んぼならではです。

蛾のサナギに限らず、コガネムシ達のサナギもたくさん隠れています。クモも色々な種類をみかけます。

静岡市内から約30kmの山村「坂の上」です。藁科川の上流で、鮎、岩魚、山女が泳いでいる姿が見えます。

田植えから約1ヶ月、だいぶ分けつ(新しい茎が生まれ育つこと)が進んでいました。

自然農でのサツマイモ栽培も、基本は稲作と同じです。
草を取りながら、畑の外には出さないで、草を押さえ、肥料分も出ないことで、循環型の農業にする。有機農園でのサツマイモ作りにとても参考になることです。

雑草は、その田んぼに“何かしらの必要があって生えてくる”と考えます。しかし、稲の生育には支障になります。そこで、根から上を切り、田んぼから出さないで、稲の隣に寝かせます。こうすることで、その草は役割を終え、次に出てくる草も抑えることができます。



有機農園の海風の中での農作業とは違い、川の音を聞きながら見あげれば山が迫る田んぼでの農作業もまた、違った趣きがあります。
そして自然農は“育てる”というよりも“実る”という言葉が当てはまる農業です。