2012/08/01 有機畑の草取りに励んでいます

農家(ほしいも農家は特に)には『畑によって』という言葉があります。
同じように栽培しているサツマイモでも、その畑で収穫量も品質も結構違うからです。当然干し芋に加工しても違うものになります。それが隣同士の畑で、同じように栽培していても同じ品質にならないのです。
農家によって畑に施していることが違いますから、長い歴史で培われた土になるのは解るのですが、同じ栽培でも違う性格の畑になります。まさに『畑によって』栽培方法を変えてやることで、良い農産物(サツマイモ)ができるようになります。
生えてくる草も同じです。『畑によって』種類も生えてくる量もそれぞれです。毎年草取りしていても違いがあります。

毎年のことですが、夏は草に悩まされます。有機栽培を始めた当初は、ひたすら草を取ることばかりを実践していましたが、現在は草を抑えることや、ある程度草と一緒にサツマイモを育てることを思考しながら工夫しています。


苗を植えたばかりの畑では、畝(うね)上は鋤簾(じょれん)等で土上げして除草ができますが、時間とともに草が根を張るので、手取り除草になります。畝の間も最初は畝間の土を耕す機械除草ですが、次第にサツマイモの根が畝間に張ってくるので、機械は使えなくなり、手取り除草になります。


麦を植えない畑にも、生態系を多様化させるために、緑肥作物(マメ科のクロタラリア)を畑回りに植えます。また、休耕の畑にもイネ科のソルゴを土壌改良として植えます。それらは蜜を出すのでそれを目当てに小動物が集まります。

干し芋名人の沢畑たかおさんがメロンを差し入れしてくれました。(翌日はスイカでした)もちろんどちらもお手製の果物です。どっちもとても美味しくて、汗をかいた後に畑でガブリつくのは最高でした。美味しい差し入れのおかげで草取りがはかどりました。

ふ入りの珍しいハクザ(雑草)がありました。野草愛好家のスタッフが持ち帰り、ふ入りが継承されるか確認することになりました。

草取りしていたら急に現れました。まだ雛に近い子ヒバリです。親鳥とはぐれたようです。しばらくしたら、いなくなっていました。


棲息する場所の色に成長した、緑と茶色のバッタです。環境に適応したものが生き残るとはよく言ったものです。

有機農業を長く続けた畑ほど、雑草がたくさん生えてきますが、その種類もたくさんになります。そして、虫やミミズや小動物の種類も数も増えていくのが確かめられます。夏の草取りは確かに大変な作業ですが、自然に近づいていく畑を実感できることは、有機農業をやっていく励みになります。