2013/03/01 一年間の結果を見て、2013年度に入ります

2月は干し芋作りにとって一年の集大成、手を尽くしてきたことが結果となって現れます。
もちろん干し芋は農産物ですから、天候や自然条件に左右されますが、それは干し芋農家共通です。結果として素晴らしい干し芋作りだったかは、やっぱりどう考えて、何をしてきたかにかかってきます。
有機干し芋作りも今までの経験を通して改善したこと、新しい試みなどで様々な結果となりました。それを踏まえて2013年度の計画を立てて3月からスタートです。
星キラリ・紅はるか・紅まさり等の新品種より、いずみ・安納・人参芋の古い品種の方が高品質の干し芋になりました。有機農業(タツマの栽培方法)は古い品種との相性が良いかもしれません。 有機農業にEM農法を取り入れて試験栽培しました。上々の芋が収穫され、品質も予想以上です。今シーズンは作付けを広げる予定です。

雑草と病害虫除けになる麦間栽培は、有機農業には打って付けですが、干し芋用の大きさにまでサツマイモを育てるのには、もう一工夫必要です。

海藻を主原料にした天然のたい肥『銀河星』で土づくりした人参芋(兼六種)です。高品質な干し芋になりますが、栽培方法の見直しで収穫量を増やすことが今後の課題です。 有機畑の中でもミミズ、虫、小動物が多く棲息する、一番自然環境に恵まれている畑です。ここで収穫された玉豊は、惚れ惚れする干し芋に仕上がりました。

寒さから身を守るためにサツマイモは、主成分のデンプンを糖に変えます。ギリギリまで糖化熟成させてから仕上げた干し芋は干し場でピカピカに輝きます。


美味しい干し芋作りはどれだけ手をかけるかに尽きます。平干し芋以上に差が現れるのが丸干し芋です。綺麗に皮むきし、手入れを繰り返します。また、芋掘り段階でサツマイモを選び、蒸かす前の段階でも、蒸かして皮をむいている段階でも選別、乾燥させている時にも選別、そして仕上がったものからも選びます。そうして選ばれた丸干し芋は、畑で掘り起こされたほんの一部ですが、最高のものです。

有機農業を続けてきて、年々土が変わってきていることを実感します。また、有機栽培に合っている品種があることもわかってきました。そしてサツマイモ本来の美味しさを引き出すための農法にまだまだ工夫の余地があることも感じています。
干し芋作りが続く中ですが、その出来上りは今後のヒントですし、2013年度の有機干し芋作りに活かすための2012年度の集大成です。