2013/05/01 有機芋の苗作り、土作り、栽培本番です。

農業にとって重要な第一歩が苗作りです。
特に有機栽培では、雑草・虫(イモムシ)・病気を防ぐ農薬を使いませんから、それらに立ち向かえる苗を育てて、畑に出すしかありません
もちろん農産物への手助けは欠かせませんが、基本は農産物自身の生命力です。それを引き出すのは畑の地力です。ですから、逞しい苗作りと地力を付ける土(畑)作りがこの時期の最優先の仕事です。
自家製たい肥で苗床を作り、水と温度管理で苗場を良い状態にします。幼苗のうちは、優しく、成苗に育つに連れて、畑と同じ厳しい環境にします。
農薬が農産物が育つのを制限するものを取り除くという役目なら、化学肥料は農産物が育つことを促進します。現代農業では、収穫したい大きさや量をある程度計算して確保できるようになりました。これは化学肥料(無機質成分)の恩恵です。しかし、有機栽培ではどちらも使えません。地力を上げるのは、地中に存在する有機質成分を農産物に吸収させることも目的のひとつです。
忠八さんから、大事な種芋を預かっています。忠八さんの苗作りの作業と天候を加味して種芋を蔵から出します。
土作りが進むと畑内が多様な環境(様々な動植物が棲む)になります。それを狙って鳥が畑内を行ったり来たり。
連作をしない休耕も畑作りに有効です。休ませた年は麦や緑肥作物で土壌改良に徹します。
種芋の根の張り具合を確認している力男さんです。干し芋産地の苗を植える適期は5月末から2週間です。そこに向けて苗を育てます。
有機栽培では、苗作りから除草が始まります。苗床は雑草にももってこいの環境です。
昨秋からの種芋の管理・保管から苗作りははじまっています。芽を出すことで、サツマイモがそれに応えてくれているようです。
農業が難しいのは、年によって気候や天気が違うことです。今年の特徴は3月の降水量が少なく、3月から4月にかけて気温が高かったことです。けれど、先輩農家の何十年という農業体験に基づく大きな農作業の流れは同じです。一日単位(長くても1週単位)では、細かく作業を割り振る必要はありますが、適期に適した農作業は鉄則で、それを見越しての一年のスタートが、苗作り、土(畑)作りの春から初夏です。