2013/06/01 有機農業プラス工夫して栽培しています。

昔の人は相当いろいろな想定をして農業をやってきたことでしょう。
有機農業は自然に即して栽培しなければなりません。草取りや虫対策など状況に応じて手を打ちます。しかしもっと大切なのは、予め起こることを予想して準備していくことです。たとえば草取りをする前に草を抑える方法を考えて対策を立てる、病害虫対策のために畑の地力が落ちる前に、早めに休耕したり、自家製たい肥を入れて、健康なサツマイモができる環境を作っておく等です。
しかし言うは易しで、今でさえそれらは困難です。そして昔はさらに、トラクターさえありませんでしたから、相当に準備周到で臨んでいたことは察するに余りあります。

有機農業は苗場も手取りで草取りです。ビニールハウス内なので昼間は温度が上がり、適度な水分がありますから、雑草も育ち虫も寄ってきます。


干し芋産地は海沿いです。寒流の海風は5月終わりでもサツマイモにとっては冷たい風です。穏やかな日に定植(苗を植える)しますが、海から離れた畑から始めます。


忠八さんから、大事な種芋を預かっています。忠八さんの苗作りの作業と天候を加味して種芋を蔵から出します。



有機農法に加えて、サツマイモの畝(うね)の間に麦を植える麦間栽培を取り入れています。麦藁で抑草になり緑肥にもなり、麦の根が張ることで線虫対策にもなります。今年は隣の畑に予め麦を育てておいて、その麦藁を畝間に敷くことで、抑草の効果をより高めています。


この畑も麦間栽培です。ここはこの畑の麦藁だけでの抑草なので、麦が育つまでこまめに除草します。雑草が生え始めている時に鋤簾(じょれん)で、土を起こし除草します。

は収穫できないことは死活問題でしたから、多くの方法でリスクを分散して栽培をしていたと推測しています。私達も有機農業にプラス一工夫した栽培を取り入れています。麦間栽培を加えたり、EM農法を取り入れたり、前年の出来高を見て休耕したり、農薬も化学肥料も使わないで循環できる方法を模索しています。
毎年仮説を立てて新しいことを試しますが、多くは失敗です。けれど失敗の悔しさが知恵を生みます。
今シーズンも準備期間から実践の段階に入りました。