2013/12/01 有機ほしいもの加工準備と来春の畑の準備

高品質の農産物を作る秘訣は、時間を味方にすることです。有機ほしいもも例外ではありません。
収穫した原料芋を加工するまで、加工の時、収穫後の畑においても、“待つ”ことで良い効果が出ることをやっていきます。

有機農法でサツマイモ栽培を続けてきて解ったことのひとつは、連作はご法度です。今年作付けした畑は来年休耕ですが、この畑は輪作の麦を蒔きました。麦は収穫しませんが、土作りのためです。

今年収穫した畑は最低一年は寝かせます。同時に地力の回復・改善を図ります。その方法は、
*輪作の麦を蒔く畑
*緑肥作物を使う畑
*その両方
いずれも再来年に向けての準備です。

有機の畑には小動物がたくさんいるので、耕すと表面に出てきます。それを狙ってセキレイが集まります。雉がいる時もあります。


本格的な寒気が来て、冬型の安定した天候が続くようになるまで加工は始めません。

原料芋をどこまで寝かせて糖化熟成させるか、待ちながら見極めます。

加工で重要な“蒸かし”のポイントも時間をかけることです。


干し芋加工迄に準備することは
*畑の冬支度をして
*農機具を仕舞い
*干し場をつくり
*作業場を掃除して
*七つ道具を引っ張り出し
*最後が簾洗いです


力男さんもぎんさんも11月中には簾洗いを終えて、加工する日を待っていました。


準備で一番手間が掛かるのが干し場作りです。雨よけのビニールハウス内に麦の種を蒔いて、稲藁を敷き、足場を平らにするネットを張り、棚を作り、防鳥ネットを張り巡らせます。

農家毎に種芋の保管方法は違いますが、どこも厳重に、特に寒さ対策をして保管します。サツマイモにとって厳しい干し芋産地の冬をいかにして越すかは毎年の課題です。


冬は干し芋にとって一年の集大成です。有機ほしいもは尚更です。春から秋まで毎日畑に通い、草に、虫に、病気に負けない強いサツマイモを育て、最低1ヶ月、長ければ3ヶ月かけて糖化熟成させた有機サツマイモを満を持して有機ほしいもにしていきます。
本格的な寒気が訪れた時点で、今シーズンの干し芋加工が始まります。