2014/06/01 有機サツマイモ栽培の苗と畑準備

有機栽培の農作業の最大の課題は草取りです。
苗作りが始まると同時に草取りが始まります。
除草剤を使わない有機栽培では、除草は機械または手取りですが、苗床はひたすら手作業で草を抜きます。
育苗はサツマイモにはまだ寒い4月早々にビニールハウス内で始めます。

日中はかなり気温が上がるので、除草は午前中の速い時間帯に済ませます。

苗よりも早く芽が出る草、根をしっかり張ってから出てくる草など育苗の時期により種類が違います。

苗が伸びて来たら生長が早い苗だけを切って揃えます。次からは畑に植える苗が定期的に切れるようになります。

切った苗は、乾かないようにだけして数日外に出しておきます。育苗ハウスよりも寒い環境に慣れて、かつ力を蓄えるからです。

ほしキラリは発芽も生長も他の品種より毎年遅れてしまいます。ほしキラリが生産されない理由の大きなひとつです。

仲間の農家が、昨年秋から出回り始めた新品種シルクスイートを育苗していました。紅はるかが親なので、高品質干し芋が期待できます。


畑は、芋と一緒に麦を育てる麦間栽培の準備を一番に始めます。


畝(うね)間に麦を植えると、麦の根が張り、芋に悪さをする土の中の線虫が活動しにくくなります。

畝の間の麦が伸びるまでは、干し場に敷いていた稲藁を使って雑草を抑えます。足りない分は、昨秋から育てていた輪作の麦藁を補充します。

敷き藁は時間と共に空いてきて抑草効果が落ちてきます。そこで畝間に伸びた麦を倒して敷き藁にします。

土壌改良のために半分以上の畑を休耕しています。麦で土壌改善する畑を麦間栽培の畑に隣接させて、抑草の麦藁を補充できるようにしています。

用途によって麦を使いわけています。休耕畑の土壌改良にはライ麦、麦間栽培ではマルチ麦、わざと草を生やす畑にはえん麦を薄蒔きにします。

草取りは苗を植える(定植)前の畝立てした時から始まります。麦間栽培の畑も含めて雑草は初期の段階でどうやって抑えるかが肝です。畑作りの段階で一度草を発芽させて、機械除草し、その後定植します。そこからはこまめな畑回りになります。