2015/04/01 ほしいも農家にとって春は、シーズン切り替え時季です。

大抵の農家は、3月上旬迄で干し芋加工を終えます。そして引き続き、干し芋の新しいシーズンが始まります。5月後半の定植(サツマイモの苗を畑に植えること)を目指して、その準備を始めます。
大きく二つの仕事をします。ひとつは、畑の土作り。もうひとつは、苗作りの準備です。
最後の蒸しの時に、干し芋名人の市雄さんが指導に来てくれました。原料芋の蒸け具合や蒸(む)らし具合のチェックの仕方や、保管方法のコツを教わりました。


加工が終わると、すぐに片付けです。加工場の整理整頓、清掃、備品の整備と洗浄、そして、干し場を片付けます。干し場は育苗のビニールハウスにします。

手数がかかるのは、簾(すだれ)と上に敷く網の洗浄です。簾は最低でも平干し芋が乾く1週間分が必要です。網は2枚重ねますから、その倍を備えています。

有機栽培ですから、育苗も農薬(化学肥料も)はご法度です。そこで、抑草のために、苗床以外の通路等のスペースに、干し場で使っていた稲藁を再利用します。


ほしいも産地は、サツマイモには寒い気候です。ですから苗床は肥えていることに加えて、寒さ対策が必要です。自家製たい肥を入れて、苗床の地温を上げます。


畑の状態を見て、輪作の麦をどうするか決めます。たい肥等を入れたい畑は、早めに鋤き込みますが、肥えていると判断した畑は、なるべく麦を大きくしてから耕運します。そうすることで、麦は緑肥になり、麦の根が線虫防除になります。


今年度作付けする畑は、定植に向けて急ピッチで土作りをしています。この畑は、自家製たい肥だけで栽培します。数年かけてたい肥作りをして、手前味噌ですが、良いたい肥ができました。自家製たい肥は、干し芋加工で出たサツマイモの皮と米ぬか等で作っています。これだけで栽培できれば、循環型の有機干し芋に一歩近づきます。

干し芋作りは、3月スタート、翌年3月終了です。また新しい一年が始まりました。その第一段階が、苗作りから定植までです。いかに良い苗を作るか、それがすくすく育つ環境の畑にしておくか。2ヶ月間はそれに集中です。