よくあるご質問

みかんやりんごや梨、柿やイチゴなど日本では四季に応じて、甘くて美味しいものが手にできます。干し芋と比べるとは華やかで、よく知られています。
干し芋は地味な存在でそれらと並んで販売されてはいますが、あまり詳しいことは知られていません。

干し芋はサツマイモだけが原料ですが、姿・形は変わってしまっています。そして、「砂糖でも入っているんじゃないの」というご質問を頂く位に甘みも増しています。(もちろんサツマイモだけであそこまで甘みがでます)

それほど干し芋は、まだまだ知られていない食べ物です。

そこでここでは、お客様から頂くよくあるご質問にお答えします。


Q:干し芋は甘く煮てあるの?

A:もちろん「いいえ」です。
サツマイモだけであの甘みがあります。
ただし、甘く作るコツがありますから、作り方にポイントが2点あります。

1、サツマイモのデンプンを糖化させる。
2、甘みを引き出すための蒸かし方がある。
3、乾燥方法。

1、秋に収穫したサツマイモを冬まで保管して熟成させることで糖化します。
言葉で言うと簡単なのですが、これが難しい。
寒すぎると腐ってしまうし、ある程度寒さにあてないと糖化しません。
干し芋農家は、干し芋に加工する時期によりサツマイモの保管場所や保管方法を変えています。
もちろん冬が来てすぐに加工するサツマイモよりも、真冬に加工するサツマイモの方が寒さに当たらないように保管しています。

2、ゆっくりとじっくり蒸かすのが基本です。
原料芋の状態にもよりますが、最低でも1時間は蒸かし、20分以上はむらします。
大きい原料芋だと2時間以上蒸かすのもめずらしくありません。

3、天日干しで最初から最後まで乾燥するのが一番です。しかし、干し芋の仕上げには、平干し芋でも1週間、丸干し芋だと3週間以上の晴天が必要になります。
乾燥機を備える農家も増えてきました。
天日干しを基本として、乾燥機を補助的に使う。この方法だと天日干しにかなり近い品質で仕上がります。

平干し芋を例にあげますと、5日間天日干ししたあとに、仕上げ乾燥で乾燥機を使う。これですと天日干しだけと同じ位の甘さになります。

乾燥機も色々なタイプがあります。

何かしらの熱源とファンで風を送るのも、簡易乾燥機と呼んでいます。これが一番シンプルな乾燥機です。熱源は、灯油等の火力を使うものから、ボイラーの熱を利用するものまで様々です。
ファンは電力です。基本はこれだけですから干し芋農家が手作りで拵えている乾燥機もあります。
干し芋の仕上げ段階で使用するので、仕上げ乾燥機とも呼ばれています。

遠赤外線乾燥機もあります。文字通り遠赤を利用しています。このタイプは、干し芋が生の状態=スライスして簾(すだれ)に広げた状態=で乾燥機に入れることができます。24時間で天日乾燥の6日分くらい乾きます。

冷風乾燥機というタイプもあります。冷蔵庫に除湿機とファンが備えられています。干し芋作りをしている冬の気温モデルを、日中15度、夜から明け方は氷点下になるという考えを冷蔵庫内で再現します。昼と夜の温度・湿度を庫内で繰り返します。
この乾燥機も生の状態で乾燥機に入れて24時間でほとんど仕上がります。

遠赤乾燥機も冷風乾燥機も、干し芋農家の手作りというわけには行きません。設備も大掛かりで価格もかなりの金額になります。またランニングコストもかかります。


【補足説明】
1、原料芋の糖化、2、蒸かし方、3、乾燥方法
どれも重要なことですが、元々の原料芋の出来栄えが全ての基本になります。あたりまえのことですが、原料芋が不出来だと、甘い干し芋はできません。

<原料芋5割・干し芋加工5割>の両方がそろってこそ美味しい干し芋ができます。

Q:干し芋のカロリーは?

A:干し芋は甘いですからカロリーが気になりますね。干し芋100gあたりのカロリーは303.3kcalです。詳しくは<「ほしいもの成分」>をご参照ください。

Q:干し芋はカビてしまうと聞きましたが?

A:干し芋は保存食として生まれました。冷蔵設備が整っていない時代、物の流れが不便な時代の保存食でした。ですからカビが発生しづらい食品です。
当時は今よりも保存性を優先したために、乾燥度合いも高く現在の干し芋よりも固く仕上がっていました。今はその当時よりもしっとりした仕上げですから、やわらかい干し芋が主流です。その分カビは発生しやすくなっています。
また、平干し芋に比べて水分量が多い角切り芋・丸干し芋はカビが発生しやすい干し芋です。特に丸干し芋は注意が必要です。カビ防止剤を袋内に入れてありますが、開封後は冷蔵で保管をお願いしています。それは、平干し芋も角切り芋も同様です。

Q:白い粉はカビですか?

A:白い粉はカビではなく、干し芋の糖分が浮き出たものです。
干し芋はカビが発生することがあります。青カビや茶カビや白カビが主な種類です。白カビと白い粉の見極めですが、胞子状かどうかを確認してください。胞子状であれば白カビです。また、白い粉に比べて盛り上がっています。

Q:白い粉はどうして吹くの?

A:白い粉は干し芋の糖分が表面に浮き出たものです。白い干し柿の粉も同様です。
干し芋は、蒸かしたての状態から、干し芋になるまでにも、干し芋に仕上がってからも、色が常に変わってゆく不思議な食品です。
色が変化して行くことについて詳しくご覧になりたい方は、<「干し芋の色が変わってゆく様子」><「干し芋とカメレオンの相関関係」>をご参照ください。

Q:白い干し芋は食べても大丈夫?

A:もちろん大丈夫です。白い粉は糖分ですから、白い干し芋は口の中に入れた瞬間から甘みを感じます。
白くない干し芋は、食べて行くごとに甘みがでてきます。
お客様の中には、「白い干し芋の方が断然美味しい」という方もいらっしゃいます。

Q:粉が吹いている干し芋と吹いていない干し芋はどっちがやわらかい?

A:やわらかさは同じですが、食感は違います。
粉が吹くと干し芋の表面が乾いた状態になります。粉が吹く前は表面がしっとりしています。その違いが歯ごたえの違いになります。
粉が吹いた方が吹いていない干し芋よりも噛みはじめに歯ごたえを感じます。

Q:長期保存方法は?

A:冷蔵保管をしてください。注意点は乾燥しないようにビニールの袋等に入れて保存をお願いします。3ヶ月位を保管期間の目安としてください。それ以上の長期保存の場合は冷凍保管ができます。保管期間の目安は6ヶ月とお考えください。

Q:ほしいもによって色が違うのは何故?

A:干し芋はサツマイモだけが原料です。サツマイモ自体に個体差がありますので、そのせいで色に違いがあります。他の副原料も、添加物も保存料も使わないので、個々のサツマイモの性格がストレートに現れるので、色が違ってきてしまうのでしょう。
また、干し芋は蒸かしてから仕上がるまで、仕上がってからも色がどんどん変わる食べ物です。それによっても個々に色が違いがでます。詳しくは<「干し芋は不思議な食べ物です」>をご参照ください。

Q:サツマイモの品種によってほしいもの味に違いはあるの?

A:干し芋はサツマイモが持つ甘みが凝縮されています。干し芋用の品種は干し芋にして甘みが増しますが、サツマイモによって甘さ、風味、やわらかさが違います。
品種によって美味しさが変わりますが、同じ品種でも、平干し・丸干し・角切りでまた味わいが変わります。色々と食べ比べて、ご自身のお気に入りを見つけてみてはいかがでしょうか?詳しくは<「ほしいも銘柄別の味わい」>をご参照ください。

Q:ほしいもはどうやって食べたら美味しいの?

A:1、やわらかくて甘い干し芋は、まずはそのまま食べるのをお勧めします。干し芋農家が心を込めて作った手作りの味そのままをお楽しみください。

2、熱を加えると、よりやわらかくなり、こうばしい香りも楽しめます。電子レンジでチンもしくは、ストーブやオーブントースターでほんのりキツネ色になるまで焼くと干し芋が持つ甘さと風味に、さつま芋本来の香りとこうばしさが溶け合います。
また、白い粉が吹いている干し芋だと、熱を加えることによって白い粉が程よく溶けて、甘くこうばしいカラメルのようになります。

<補足説明>
電子レンジよりも、フライパンやトースターで熱を通す方をお勧めします。レンジの方が冷めて固くなる時間が早いからです。どちらも、熱々のうちに食べるのが美味しく食べるコツです。

3、バターやチーズや明太子をのせて炙って食べるのも美味しいです。食パンに薄くバターを塗って、その上にのせてトーストします。焦げ目がつくくらいまで焼いて、熱々を頂きます。
細かく刻んで、アイスクリームに混ぜて食べるのも意外と美味しいですよ。
(他にも干し芋料理を紹介しています。詳しくは<「干し芋料理」>をご参照ください。

4、いろいろ試して、美味しい食べ方をぜひ教えてください。