品種(ひんしゅ) --- 主な品種を見てゆきます

品種1品種2 があります)

サツマイモに限らず、農作物はその時代の要望から多用途な性格が求められます。そのためにたくさんの品種が生まれてきます。
ある時代にだけもてはやされた品種もあれば、長い間愛されている品種もあります。
時代を追いながら主な品種を見てゆきます。

サツマヒカリ(農林40号)

九州農業試験場で育成され昭和62年に命名登録された。
食品加工用として育成された変わった品種です。煮ても、焼いても、蒸かしても甘くならないサツマイモなので自由に味付けができます。
特徴
紡錘形で、皮色は赤、肉色は黄白。粉質で繊維が少なく食味は極めて良い。


ハイスターチ(農林41号)

茨城県つくば市の農水省農業研究センターで育成され昭和63年に命名登録された。
特徴
肩張り長紡錘形で、皮色は淡紅褐色、肉色は淡黄。デンプン歩留まりが極めて高く、収穫量もかなり多い。


フサベニ(農林42号)

茨城県つくば市の農水省農業研究センターで育成され平成元年に命名登録された。
特徴
紡錘形で、皮色は濃い赤紫、肉色は黄白。デンプン歩留まりはそれほど高くないが病気には強い。デンプン原料用品種。


ベニオトメ(農林43号)

九州農業試験場で育成され平成2年に命名登録された。
特徴
長紡錘形で、皮色は赤紅色、肉色は黄白。食味が良くて形や大きさが揃いやすい品種。


ヘルシーレッド(農林44号)

茨城県つくば市の農水省農業研究センターで育成され平成元年に命名登録された。
少ないながらも茨城県で干し芋用として作付けされています。通称で「カロチン芋」「人参芋」と呼ばれています。綺麗な赤い干し芋に仕上がります。
特徴
紡錘形で、皮色は濃赤紫、肉色は淡橙色。カロチンとビタミンAが多く含まれています。


サツマスターチ(農林45号)

茨城県つくば市の農水省農業研究センターで育成され平成6年に命名登録された。
特徴
長紡錘形で、皮色・肉色ともに白黄。デンプン歩留まりが極めて高く、収穫量もかなり多い。


ジョイホワイト(農林46号)

九州農業試験場で育成され平成6年に命名登録された。焼酎原料用として開発された品種。
特徴
紡錘形で、皮色・肉色ともに白。焼酎にすると、フルーティな芳香で淡麗な飲み口になる。


アヤムラサキ(農林47号)

九州農業試験場で育成され平成7年に命名登録された。
干し芋にすると、甘みは少ないですが鮮やかな紫色の干し芋になります。干し芋作りの道具が紫一色になるほど、紫色素が強い品種です。
特徴
長紡錘形で、皮色は暗赤紫、肉色は農紫。アントシアニン含量が極めて多く、天然色素の抽出用として、また、アントシアニンの健康面からも栽培されています。


エレガントサマー(農林48号)

茨城県つくば市の農水省農業研究センターで育成され平成8年に命名登録された。
夏野菜の一種、葉を食用として利用する野菜用品種として開発されました。
特徴
葉が大変に太く長く、揃いも良く緑で外観品質も優れています。株あたりの葉の収穫量も他の品種よりも著しく多く、生でも苦くなく、火を入れた時の食味も良い。


ジェイレッド(農林49号)

九州農業試験場で育成され平成9年に命名登録された。
特徴
短紡錘形で、皮色は淡赤、肉色は橙色。作りやすく貯蔵も容易。カロチン含量が高く、生ジュースは変色、人参臭ともに少なく食味も良い。


春こがね(農林50号)

茨城県つくば市の農水省農業研究センターで育成され平成10年に命名登録された。
品種名は、春に(沖縄で)黄金色の芋が収穫できることを表した名前。
特徴
長紡錘形で、皮色は濃赤紫、肉色は黄色。貯蔵性は中程度、食味は良くベニアズマ並。


サニーレッド(農林51号)

九州農業試験場で育成され平成10年に命名登録された。カロチンを多く含む加工原料用品種。
特徴
長紡錘形で、皮色は赤紅、肉色は橙色。カロチン含量は高カロチン品種のベニハヤトよりやや少ないが高い部類、収量はベニハヤトよりも良い。食味は高系14号より劣るが、ベニハヤトよりも良く、高カロチン品種としては良い。デンプン歩留まりが極めて高く、収穫量もかなり多い。


コナホマレ(農林52号)

九州農業試験場で育成され平成12年に命名登録された。デンプン収量が非常に多いのが品種名の元。鹿児島県の奨励品種。
特徴
短紡錘形で、皮色は短褐色、肉色は淡黄白。収量はコガネセンガンよりも良く、デンプン歩留まりも高い、デンプン原料用品種。


タマオトメ(農林53号)

九州沖縄農業研究センターで育成され平成13年に命名登録された。
干し芋適正に優れ、干し芋に加工すると甘みが強く、繊維も少なくやわらかく仕上がる。タマオトメの干し芋は茨城県では年々土地に馴染み、色も良くなり、甘みもタマユタカ並みになってきているように感じる。
特徴
紡錘形で、皮色は赤、肉色は橙色。収量も良い。


ムラサキマサリ(農林54号)

九州沖縄農業研究センターで育成され平成13年に命名登録された。直播栽培に適した品種。
特徴
紡錘形で、皮色は赤紫、肉色は紫。アントシアニン含量が高く加工原料用の品種。加工原料になったものは、アヤムラサキのものとは色が違い、パウダーはややくすんだ色、ペーストは赤みが強いものができる。


ベニマサリ(農林55号)

九州沖縄農業研究センターで育成され平成13年に命名登録された。
蒸かし芋、焼き芋用として茨城県に導入されたが、干し芋適正にも優れていて、甘みが強い干し芋になる。
特徴
紡錘形で、皮色は赤、肉色は淡黄。多収で早掘りにも向く。


すいおう

葉茎利用品種として平成13年に命名登録された。
苗床栽培での10aあたりの地上部の収穫量は25トン弱で、同じ葉茎利用品種のエレガントサマーに比べて2割程度多収。
特徴
葉は波・歯状心臓形でやや大きく、頂葉色は淡緑、葉色は緑。
芋は紡錘形でやや大、皮色は黄白色、肉色は淡黄白。

葉と葉柄の食味が良く、可食部100gあたりの鉄・カルシウム・カロチン・食物繊維・ポリフェノールの含有量が、春菊・ほうれん草・ブロッコリー・キャベツ・レタス等よりも多く含まれている。
蒸かし芋の肉色は淡黄色、肉質はやや粉、繊維はやや少なく、食味は中。


パープルスイートロード(農林56号)

農業技術研究機構で育成され平成14年に命名登録された。
アヤムラサキ同様に干し芋にすると甘みは少ないが鮮やかな紫色の干し芋になる。
特徴
紡錘形で、皮色は濃赤紫、肉色は紫。多収。アヤムラサキに比べてアントシアニン色素は低いが、食味は紫系統としては良い。


クイックスイート(農林57号)

農業技術研究機構で育成され平成14年に命名登録された。
特徴
紡錘形で、皮色は赤紫、肉色は黄白。ベニアズマに比べて半分程度の時間で、蒸かし芋の糖度が最高値に達するために、電子レンジでの調理でも食味が落ちづらい。早堀りでも食味が良い。


ハマコマチ(農林58号)

農業技術研究機構九州沖縄農業研究センターで育成され平成15年に命名登録された。カロチンを多量に含む品種。干し芋適性に優れるとされているが、茨城でも静岡でも作付けされている様子はありません。
特徴
短紡錘形で、皮色は淡赤、肉色は橙色。
芋の乾燥粉末に含まれるカロチン含量は、サニーレッドに比べてやや高い。
蒸かし芋の肉色は橙色、食味はサニーレッド並みかやや劣る。干し芋の色は濃橙色、肉質はやや粘り、食味は中~やや上。


アヤコマチ(農林60号)

農業技術研究機構九州沖縄農業研究センターで育成され平成15年に命名登録された。加工・青果用の高カロチンのサニーレッドが母、外観・貯蔵性に優れた高カロチンのハマコマチが父として交配された品種。
特徴
紡錘形で、皮色は赤、肉色は橙。収穫量はサニーレッド並み。
蒸かし芋の肉色は橙、肉質はやや粘質、繊維はやや少ない、食味は中~やや良くサニーレッドより良い。また、調理特性もサニーレッドより良い。


オキコガネ(農林61号)

九州沖縄農業研究センターで育成され平成16年に命名登録された。早掘りに向くベニワセが母、低糖で外観に優れたサツマヒカリが父として調理用多収品種を目的としてて開発された。
特徴
短紡錘形で、皮色は淡黄褐色、肉色は淡黄白色。収穫量はコガネセンガンより良い。
加熱調理しても甘みが少ないので、幅広く料理に利用されることを狙って開発された品種。蒸かし芋の食味は劣るので、青果用には不向き。


アケムラサキ(農林62号)

九州沖縄農業研究センターで育成され平成17年に命名登録された。高アントシアニンで加工適性が高いアヤムラサキが母、外観に優れるアントシアニン系の九州174号が父として色素用の加工品種で外観が良いことを目的として開発された。
特徴
長紡錘形で、皮色は濃赤紫色、肉色は紫。収穫量はコガネセンガンより低く、アヤムラサキやムラサキマサリと同程度。
アントシアニン色素含量はアヤムラサキやムラサキマサリより高い。蒸かし芋の肉色は濃紫、食味は劣るので、青果用には不向き。
ペースト、パウダーに加工した場合、色調がアヤムラサキとは異なる。


とさまさり(農林63号)

九州沖縄農業研究センターで育成された。高デンプン・多収の九州111号が母、極高デンプン・多収のコナホマレが父として焼酎用として開発された。コガネセンガンより栽培しやすく、貯蔵性も良く、焼酎にして酒質が違う原料になることも期待された品種。
特徴
短紡錘形で、皮色は極淡紅色、肉色は淡黄白色。収穫量はコガネセンガン・シロユタカ並み、デンプン歩留まりはコガネセンガン・シロユタカよりも多少良く、デンプン重もコガネセンガン・シロユタカも上回る。デンプン白度はコガネセンガン・ダイチノユメと同程度、蒸かし芋の食味は悪い。
焼酎醸造時の原料あたりの純アルコール収穫量がコガネセンガンより多く、醸造した焼酎は、軽快な甘みとコク、芋の香りが強いといった特徴になる。


ベニハルカ(農林64号)

九州沖縄農業研究センターで育成された。外観が優れる九州121号が母、芋の皮色や食味が優れた春こがねが父として、外観が良いA品率が高い品種を目的として開発された。また、また、栽培がしやすく早掘りでも糖度が高い食味が良いことも開発の目的。
特徴
紡錘形で、大きさは中、外観はやや上、皮色は赤紫、肉色は黄白色。
蒸かし芋の肉色は黄白色、肉質はやや粉、繊維は中、食味は上で高系14号より優れる。


ほしキラリ

多収で外観が優れる関東112が母、デンプン糊化温度がやや低い九州127号が父として、干し芋用の品種として開発された。干し芋に加工すると、シロタ(パカ)と呼ばれる干し芋のB品の発生がほとんどなく、食味も優れ、外観も淡黄と良好なために、干し芋用としての普及が期待されている。
特徴
紡錘形で、大きさは中、外観は中、皮色は赤紫色、肉色は黄白色。上芋重はタマユタカの6割程度と低いが泉13号より高い。切干歩合はタマユタカと同程度か良い、貯蔵性はやや易。
干し芋の食味はタマユタカよりもやや優れ、泉13号並みか良い。デンプンの糊化開始温度が通常の品種よりも5~6℃低く、蒸煮時の糖化が進みやすい。

2009年より茨城の干し芋農家のごく一部で栽培がはじまったばかりで、干し芋適性の評価はまだ定まっていません。
シロタ(パカ)の発生は干し芋農家にとっては深刻で、タマユタカの場合、栽培時の天候でシロタ(パカ)多い年があるために、ほしキラリのシロタ率の低さは干し芋農家にとって朗報です。
干し芋用として普及するかは、収穫量、加工しやすさ、食味、歩留まり等によって左右されるので、今後実際に、ほしキラリが干し芋にされて決められてゆくでしょう。

コガネセンガンを上回り、ジェイレッド並み。


ひめあやか

「サツマイモが大きすぎて食べきれない」という消費者の声から約10年かけて開発された。芋がやや小さく食味が優れる九州127号が母、病気に強く食味が優れる関系91が父としています。
特徴
短紡錘形で、ベニアズマや高系14号より短く、大きさはやや小、外観は中、皮色は赤紫、肉色は黄色。
上芋1個重は、マルチ標準栽培でベニアズマ・高系14号の6割程の140g位と小さい。(プランターでも栽培が可能なミニサイズ)
上芋重はマルチ早掘栽培でベニアズマをやや上回るが、マルチ標準栽培ではベニアズマの8割程度。200g以下の上芋重は多く、マルチ標準栽培でベニアズマの約2倍。切干歩合はベニアズマよりもやや低く、高系14号よりもやや高い。貯蔵性は中。
蒸かし芋、焼き芋の肉質はやや粘質で食味が優れる。ベニアズマ・高系14号に比べて調理後の黒変が少なく、肉色は鮮やかな黄色。冷えても食味は優れる。



※日本いも類研究会のサイトも参考にさせて頂きました。


▲ 見出しに戻る