ほしいも統計

干し芋・サツマイモの成分編サツマイモ・ほしいもの生産量編サツマイモの生産量(日本)奨励品種編 があります)

干し芋とサツマイモにまつわる統計をまとめてみました。
(一部を「さつまいも 坂井健吉著」「ほしいも百年百話 先崎千尋著」「茨城県農林水産部」「農林水産省」から引用しています)


サツマイモの生産量(世界)

世界合計で約約1億3000万トンの生産があるサツマイモは、世界で7番目位の生産量があります。
(トウモロコシ、小麦、米、ジャガイモ、大豆、トマトについで7番目位、以下バナナや他の穀物等です。年により変動があります)

コロンブスによって世界中に広められたサツマイモですが、世界の三大穀物(小麦・米・トウモロコシ)のようには広がりませんでした。まずはその統計から。
<2002年の世界のサツマイモ生産量>
「地域別生産量」
  栽培面積
(1000ha)
haあたり
収量(kg)
生産量
(1000t)
生産量
シェア(%)
世界計 8,619 14,751 127,140 100
アジア 5,688 19,762 112,408 88.4
アフリカ 2,523 4,471 11,280 8.9
北中アメリカ 180 8,417 1,512 1.2
南アメリカ 109 11,342 1,240 1.0
ヨーロッパ 10,963 55 0.04
オセアニア 114 5,672 644 0.5

アジアで9割近くが生産されています。しかも中国が圧倒的なシェアです。
生産性(1haあたり収量)が最も良いのが日本です。

ヨーロッパではほんのわずかしか生産されていないのは気候のせいでしょうか?意外です。


「国別生産量」
  栽培面積
(1000ha)
haあたり
収量(kg)
生産量
(1000t)
生産量
シェア(%)
世界計 8,619 14,751 127,140 100
中国 4,909 21,429 105,197 82.7
ウガンダ 602 4,402 2,650 2.1
ナイジェリア 516 4,876 2,516 2.0
インドネシア 183 10,251 1,876 1.5
ベトナム 204 7,543 1,536 1.2
日本 40 25,225 1,009 0.8

ほしいもの生産量(世界)

ちなみに干し芋の世界の生産量ですが、不明です。
輸入量からある程度推測できますので、輸入量の統計を記します。
  輸入量(単位はトン)
2001
2002
2003
2004
2005
2006
2007
2008
中国 2,034 7,940 8,311 11,402 10,662 9,376 7,164 2,019
インドネシア         226    
ペルー              

表からもわかるように、輸入干し芋は販売数量が年度でかなり違います。輸出国では日本への輸出用として生産しています。ですから世界全体の生産量は日本の消費量の近い動きをしていると推測されます。
中国、インドネシア、ペルー以外にも、ベトナムからの輸入も以前はありました。

ほしいもの生産量(日本)

決定版となる統計がなく、統計年度も2005年頃のデータとなります。サツマイモの生産量の統計資料は農水省のデータがあり、詳しくお伝えできるのですが、干し芋はまとまったものがありません。

干し芋が、農産物としてはマイナーな地方特産品ということがここからも垣間見ることができます。
「都道府県別生産量」
  生産量(t)
茨城県 10,910
静岡県 1,000
三重県 250
長崎県 150
鹿児島県県 67
群馬県 60
茨城県がダントツであることは、ご存知でしょう。
1955年頃までは、静岡県が全国一の生産県だったのですが、現在は茨城県の1/10の生産です。
1953年の静岡県の生産量は7875トンで、この年がピークで年々減少しています。茨城県の生産量が増えたこと以上に、静岡県の生産量が減少したことの方がここまでの差がついた理由でしょう。
「茨城県の市町村別生産量」
  生産量
(1000t)
生産量
シェア(%)
茨城県全体 10,910 100
ひたちなか市 7,800 71.5
東海村 1344 12.3
那珂市 702 6.4
鉾田市 327 3.0
茨城町 179 1.6
水戸市 149 1.4
大洗町 91 0.8
常陸大宮市 59 0.5
かすみがうら市 48 0.4
阿見町 43 0.4
鹿嶋市 42 0.4
行方市 42 0.4
笠間市 30 0.3
石岡市 25 0.2
小美玉市 22 0.2
城里町 0.1
干し芋は茨城県の特産品ですが、茨城県下の中でもほんの限られた地域で、そのほとんどが生産されています。

ひたちなか市と東海村で全体の83.4%になるのですが、この地域の中でも生産されている地区に区切りがあります。
南は那珂川から北は久慈川まで、そしてJR常磐線の東側の太平洋沿いの地区に産地は集中しています。
そして、その地区が良質な干し芋の産地と定評があります。

ここからさらに地区が細分化されます。
最終的には、ワインのように畑ひとつひとつが、干し芋の品質を左右する条件になります。