ほしいもの作り方 番外編

ほしいも編1ほしいも編2サツマイモ編1サツマイモ編2番外編があります)

ここでは、品種により苗もサツマイモも違いがあるのでそれらを紹介します。
また、火を入れずにサツマイモを干してみました。昔はこれも「ほしいも」(正確には「白切り干し」と言っていたようです)のひとつで、干し上がったものを粉にして料理していたようです。
再現してみました。

いろいろな品種

干し芋にするために作付けされているサツマイモの中でも性格はまちまちです。
玉豊(たまゆたか)・いずみ・玉乙女は、ほしいもになるために生まれてきたようなサツマイモです。
焼き芋や蒸かし芋にも、ほしいもにも合っているのは安納芋です。
赤く仕上がる代表は人参芋、紫芋はほしいもにしてもあの鮮やかさは同じです。
今はほとんど栽培されていない太白芋や、サツマイモとしてはお馴染みの紅アズマも、少しだけ、いたずらでほしいもにするために育てています。

一見苗は同じようですが、よく見ると違いがあります。
サツマイモになるとその違いは一目瞭然です。それらを紹介します。

いろいろな品種の苗

玉豊 いずみ
玉乙女 人参芋
安納芋 紫芋
太白芋 紅アズマ

いろいろな品種のサツマイモ

玉豊 いずみ
玉乙女 紫芋
太白芋

生切りほしいも



サツマイモを洗って、皮が付いたまま、薄くスライスしました。玉乙女で試しました。

約5mmの厚さでスライスして簾(すだれ)に並べると、晴天ベースで3日でカラカラに。意外にもすぐに乾きました。

干すことで保存性と輸送性が格段に優れます。火を入れた干し芋が“おやつ”“携帯食”“ファストフードのはしり”とすれば、「生切りほしいも=白切り干し」は料理の素材になります。

「白切り干し」を料理してみました

1、白切りチップス

素揚げにしました。サツマイモチップスです。

そのままだと、ほのかにサツマイモの味がするだけです。お好みで甘く、または塩をふって食べました。カリカリ感があるので、なるべく揚げたてが美味しいですね。

「白切り干し」を粉にしてから料理しました

粉にしてから色々と工夫してみました。

2、蒸し団子

水 100cc、玄米粉 大さじ5、白切干し粉 大さじ5、塩 ひとつまみ
玄米粉と白切干し粉(サツマイモの粉)を半々にして、塩ひとつまみ入れて練って15分間蒸しました。

甘みはサツマイモ粉からだけなので、ほんのりと甘い団子です。昔はこんなおやつを食べていたのかな・・・と思わせる味です。
3、揚げ団子
2の蒸し団子を蒸かさずに、油で揚げました。

油で揚げた分、蒸し団子よりも香ばしく美味しく仕上がりました。こちらの方が人気がありました。
4、蒸しパン
水180cc、白切干し粉 大さじ5、市販の蒸しパンミックス200g
白切干し粉(サツマイモの粉)と蒸しパンミックスを混ぜて、13分間蒸しました。

ほんのりとサツマイモの甘さを感じる美味しい蒸しパンになりました。市販の蒸しパンの素を使っているので、その味がベースでサツマイモの風味を感じます。

「白切り干し」を「切り干し大根」のように

切り干し大根のように、水で戻して料理の素材になるかを試しました。

5、白切り干しのキンピラ
水で3~4時間戻してから、細く切ってキンピラにしました。

ほんのりとサツマイモの味、甘さはしますが、風味は抜けてしまっていました。ジャガイモ風な味です。

結論

火を入れる通常の干し芋は別にしまして、白切り干しは、サツマイモの味わい、甘み、風味が無くなってしまうのが辛いところです。保存と輸送が便利な現代ではなかなか長所が見出せないでしょう。

干し芋はサツマイモが持つ長所が凝縮されているのが、改めて確認できました。