ほしいもブログ

最後の詩集 長田弘 著 みすず書房

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今年の5月に亡くなった詩人の長田弘さん。
無くなる前に出した最後の詩集を読みました。

「シシリアン・ブルー」というタイトルの詩は、

どこまでも、どこまでも
空。どこまでも、どこまでも海。
どこまでも、どこまでも
海から走ってくる光。
遠く、空の青、海の青のかさなり。
散乱する透明な水の、
微粒子の色。晴れあがった
朝の波の色。空色。水色。

という冒頭から始まります。
私はこの詩を読んだ時、
佐野元春のアルバム「ZOOEY」に入っている
ラ・ヴィータ・エ・ベラ を思い出しました。

ラ・ヴィータ・エ・ベラ の海も、
シシリアン・ブルー の海もイタリアだったんですね。
確かにイタリアの海のイメージはどこまでもどこまでも続く青。

この詩集には、
他にもイタリアの諸都市を訪れて読んだ詩がたくさん出てきます。
ああなんだかまたイタリアに行きたくなってしまいました。

イタリアの風景には、
人の一生なんて一瞬
と感じさせる圧倒的な時間があった気がします。
そしてそれは、詩という表現方法がとてもあっていると思います。

【ほし太の日向ぼっこ】

日時: 2015年10月27日 15:14