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匠の技の科学(材料編) 京都工芸繊維大学 伝統みらい教育センター編

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図書館でいつもチェックする新着本コーナーの中にありました。

第一章 竹・木材
第二章 繊維・紙
第三章 塗料・接着剤
第四章 金属材料
第五章 土・焼き物

という内容で、
第三章に漆の話が載っていました。
漆の同好会に入っているのに、
ちゃんと漆のことを勉強したことがないので、
興味を感じて借りてみました。

漆には、塗料、接着剤、絵具という三つの用途があります。
漆の産地はアジアに限られているため、
漆の製品そのものが『ジャパン』と呼ばれていることは知っていましたが、
日本では、約9000年前の縄文時代早期から、
漆が利用されていたことが確認されているということにまず驚きました。

そして漆は保存状態さえしっかりしていれば、
千年、二千年はもち、
修理技術も長い間に確立されているため、
修理や修復も可能なことなど、
今更ながら漆ってすごいものだなぁと感じました。
唯一紫外線には弱いのだそうで、
そのことも初めて知りました。

また漆は見た目を美しくするだけでなく、
器物を丈夫で長もちさせるためにも重要な役割を果たしています。
私も漆を塗る前に木がためといって、
漆を薄めたものを何回か塗り重ねて木を丈夫にします。

その方法にもいくつかあるそうで、
地方によって様々な方法が用いられていたこともわかりました。

特に沖縄地方で行われていた、
琉球漆器の「豚血下地」という方法には驚きました。
豚の血の凝固性を利用したものだそうですが、
今では途絶えてしまったそうです。
伝統的な方法が絶えてしまうのは寂しいですが、
様々な合成塗料や合成樹脂が生み出されていった過程には、
モデルとして漆があったことで、
漆の果たした役割はとても大きいと結ばれていました。

本の書き出しは、
「伝統工芸品は、美しい、使いやすい、持っていると心が落ち着く、
そして人々に勧めてみたいものである」でしたが、
本当にそうですね。

【ほし太の日向ぼっこ】

日時: 2016年09月03日 14:51