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乾漆(かんしつ)

乾漆とは、木や土などの型の上に
麻布を漆で何重にも張り重ねて固める技法のことで、
木の漆器よりもある程度自由な形を作ることができます。

漆塗り同好会で、先輩から乾漆の技法を教わることになりました。

まず下準備(今回は綿製の寒冷紗を使います)
布を洗濯して糊を落とし、
乾かしてから作る大きさにカットしてアイロンをかけます。
正目で3枚、バイアスで2枚、
貼り付け板よりも一回り大きくカットしました。
今回は一時間で5枚の布を貼り合わせる予定です。

まず最初は糊漆をつくります。

米粉30gと水90㏄を鍋に入れ、
中火くらいでかき混ぜながら7~8分煮て、
透明感と粘りが出たら糊の完成(糊はあらかじめ作っておきました)

糊と漆を1:1で練り混ぜます。
まずは糊の半分の量でやってみます。

最初はマロンクリームのような色です。
チョコをテンパリングするような手つきで手際よく漆と糊を混ぜます。

だんだんとチョコレート色になって粘りが出たら完成です。

貼り付け板にヘラで糊漆を薄く伸ばしていきます。

一枚目の布をのせて上からヘラでしごきながらしっかりと圧着させます。
糊漆が布の上までしみ出るくらいになったら、
また糊漆をヘラで均等に伸ばしていきます。
これを繰り返して布を貼り合わせます。
3枚目の布を貼ったところで、
糊漆が無くなったので残り半分の糊と漆を混ぜてまた糊漆を作りました。

先輩は、
「この漆をたくさん使うところが一番のハードル」だと言っていました。
確かにたくさん使います。

5枚の布全部を貼り終わったところです。
このまま2、3日乾燥させてから板から剥がすと
乾漆シートの出来上がりです。

次回は麦漆をつかって作品の側板を張り合わせます。

【きらくな寝床】

日時: 2020年09月17日 17:14