2014年11月
長嶋茂雄最後の日 鷲田 康 著 文藝春秋
運転しながら聞いていたラジオ。
書評のコーナーのようなところで今月のお勧めとして紹介され、
聞いているうちに読んでみたくなりました。
伝説のセリフ「我が巨人軍は永遠に不滅です。」の言葉とシーンは有名ですが、
その日、中日との最終戦がダブルヘッダーであったこと。
第一試合と第二試合の間に、
長嶋さんがグラウンドを一周してファンに直接お別れの挨拶をすることにこだわったことなど、
実際に長嶋氏が引退を決意し、
その最後の日に向かってどのように周りが動いていったのか、
詳しい状況が克明に記録されていて興味深かったです。
長嶋茂雄という人は、常にファンのためにということだけを考え続けた、
天才という言葉だけで片付けられない、
努力し続ける強い精神力を持ち、運と人を味方にすることができる
本当のスターだったのだなぁと感じました。
【ほし太の日向ぼっこ】
映画 『寄生獣』 監督:山崎 貴
1990年から1995年にかけて連載されていた岩明均の漫画作品を、
『永遠の0』の山崎貴監督が映画化したもの。
20年ほど前、甥っ子から借りて読んだことを覚えています。
その時、すごくよくできた話だなぁと思いましたが、
今回、実写化されても原作の良さが生かされていて違和感がなかったです。
物語の構成上、スプラッタな場面もでてきますが、
苦手な私でもなんとか大丈夫でした。
主演の染谷将太さん、ミギー役の阿部サダヲさんが特によかったです。
前後編に分かれていて後編は来年4月の公開。
【ほし太の日向ぼっこ】
『キネマの神様』 原田マハ著
大好きな原田マハさんの小説。
最初はタイトルがあまりにもベタで、
人物設定もけっこう荒唐無稽だなぁ…なんて思いながら読んでいました。
でも知らず知らず見事にキネマの神様の術中にハマってしまいました。
私が子供の頃、映画は確かに大衆娯楽の中心でした。
親に連れられて家族そろって出かけたり、
中学の頃、背伸びして親友と二人で百恵ちゃん主演の『絶唱』を観に行ったことも思い出です。
そして映画館は、1日中いられる場所でもありました。
途中から入っても何回も観られるから、
旦那様は、夏休みに怪獣映画を1日中何回も観たと聞いたこともあります。
少し大人になったころは名画座で古い名作映画を2本立てで観ました。
そんな映画にまつわる自分自身の経験があざやかによみがえってきて、
やっぱり映画は映画館で観るものだなぁとしみじみ思いました。
巻末の片桐ハイリさんの寄稿文もとてもよかったです。
本を読んだのに、極上の映画を何本も観た気分にもなれてとってもお得な一冊でした。
【ほし太の日向ぼっこ】
漆塗りの…。
今月は西部生涯学習センター主催の講座『漆塗りの弁当箱作り』のお手伝いをしています。
先週までに、生漆を二回、呂色漆を一回塗った菓子盆に、
今回は赤の色漆を塗りました。
その色漆が乾く寸前にマコモの素というパウダーをかけます。
その状態が写真。
これは「乾口(ひくち)塗り」という、
主に鎌倉彫の仕上げに使われる技法なんだそう。
来週この上から研いで(磨いて)下の漆を出します。
先輩に教えて戴いたのですが、
下に赤、上に黒色の漆を塗ったものが根来(ねごろ)塗り。
これは主に男性用で、
下に黒、上に赤色の漆を塗るのが曙塗りという女性向け。
そして昔は使い込むうちにだんだんと下の漆が見えてくるというのが本来の形なんだそう。
でも多分それは代々何十年も使ってこそ見えてくるもの。
現代では最初から時代をつける(古く見せる)ための技法としてできたのが、
この乾口塗りだということでした。
何しろ乾く寸前にマコモの素をかけなければならないので、
部屋を臨時の室(むろ)にして乾かすのが大変でした。
暖房をかけ、近くのスーパーに段ボールを貰いに行き、
段ボールの蓋を雑巾で湿らせて湿気を与えました。
結果、なんとか時間内に全員マコモの素をかけることが出来ました。
来週どんな出来になるのか楽しみです。
【ほし太の日向ぼっこ】
映画『イブ・サンローラン』 監督ジャリル・レスペール
子どもの時から当たり前に目にしていたYSLのロゴ。
すでに絶対的存在として君臨していたこのブランドが、
これほど若い、天才デザイナーによって作られた事実にまず純粋に驚きました。
またその陰に、公私ともにパートナーだった、
ピエールという人物の支えがあったことも映画を観て初めて知りました。
本作に登場する華やかな衣装は、財団の全面的協力を得ているそうで、
それを目にするだけでも充分楽しめますが、
イブとピエールの性別を超えた愛の物語でもあり、
ピエールがいてもなお孤独だった天才の、
心の内をうかがい知る貴重な映画でした。
【ほし太の日向ぼっこ】
今年のサツマイモの出来は?
長砂の有機農園で作った干し芋用のサツマイモ。
毎年、干し芋に加工できない小さなお芋を店頭で販売しています。
このお芋を楽しみにして下さるお客様も多く、
中には自分で干し芋にしてしまう強者も…。
スタッフの一人がそれを上手に焼き芋にしてくれます。
色々な品種があるので、
品種ごとに味見のため焼いてもってきてくれます。
写真は安納芋。
本来、掘ったばかりのサツマイモは、
まだデンプンが糖に変わっていないので、
それほど甘くないはずなのですが、
これはもうびっくりするほど甘くて甘くて!!
これを食べて確信しました。
今年の干し芋はかなり美味しくなります。
もしかすると数年に一度、いや十年一度の当たり年になるかもしれません。
楽しみです。
【ほし太の日向ぼっこ】
田んぼ 脱穀と唐蓑(とうみ)
11月23日、秋晴れの気持ちの良い一日に、
天日に干していた稲の脱穀と唐蓑をかけに行ってきました。
脱穀は足踏み脱穀機で行います。
下についているペダルを踏むと真ん中のドラムが回転します。
ドラムに付いている逆V字型の突起に穂先を当てると、
しっかり実の詰まった籾だけ下に落ちます。
脱穀した籾そのままだと、藁や実が入っていない籾、
草やごみなども混じっているので唐蓑に通します。
上から少しづつ籾米を落とし、そこに羽根を手で回して風を送ります。
そうすると重い籾米は手前の口から出てきて、藁やごみは外に飛ばされます。
未熟米はその次の口から出てきます。
3~4回ほど通すと籾米だけになります。
この籾米は、12月7日にみんなでやる収穫祭の時に籾摺りして玄米にします。
稲刈りの時はまだ緑だった木が、あちらこちらで綺麗に紅葉していて、
目も楽しめました。
この日は棚田のある大川地区の収穫祭。
大川中学校の校庭で、各地区の特産物や手作り品、
子どもたちが作ったサツマイモの焼き芋、
『100年そばの会』の手打ちそばの販売や、
大川フラガールズのフラダンスなどの披露があり、
見に行ってきました。
販売物は大半が売り切れでしたが大勢の人でにぎわっていました。
【ほし太の日向ぼっこ】
劇団SPAC公演 『ドン・キホーテ』
久しぶりにSPACの演劇『ドン・キホーテ』を観ました。
この演劇は、静岡県中高生鑑賞事業の一環のため生徒たちと一緒に鑑賞しました。
セルバンテスが書いた小説『ドン・キホーテ』をちゃんと読んだことはなかったけど、
年老いたロバにまたがり風車に戦いを挑むという場面に象徴された
愚か者の滑稽な物語だという認識しかありませんでした。
今回、三島景太さんのドン・キホーテを観て、
確かに遠い昔の、すでに古臭い騎士道に憧れ、
夢と現実がごっちゃになってしまった困った人なのかもしれないけど、
あんなにも真剣に騎士になりきって、
一途に想い姫を思う彼のことを愚かとは思えませんでした。
愛すべき人であるからこそ、故郷の人たちは彼を連れ戻すために一生懸命だったのでしょう。
彼は鏡の騎士に敗れるけれど、鏡の騎士=自分と考えると複雑な気持ちになりました。
今回のセットは、まず大きな額縁の中に舞台があり、
物語の中にまた物語(人形劇)があったりと、
観ている私たちを物語の世界に引き込む演出が感じられました。
私たちの人生自体物語のようなものかもしれない。
その物語の中で、私は本当に自分自身を演じているのだろうか?
鑑賞後そんなことも考えてしまいました。
【ほし太の日向ぼっこ】
姪のパン
先日のウインナーのパンもそうだけど、
姪がパン教室に通い出してから色々なパンを貰いました。
中でも私が気に入ったのがこの『ラウゲンブロート』という黒いパン。
ドイツパンで、アルカリ液(重層)と塩水で茹でるとこの黒さになるんだそう。
ほんのり塩味が効いて美味しかったです。
これはサツマイモのデニッシュ。
茨城のサツマイモを使って上手に作ってくれました。
美味しかったです。
一番最近のメロンパン。
ノーマルのレモンの風味と抹茶。
やっぱり市販のとは味が違うにゃ。
また作ってね!!。
追伸
11/22は「小雪」です。二十四節気更新しました。
ご興味がある方は、干し芋のタツマのトップページからどうぞ。
干し芋のタツマ
二十四節気「小雪」の直接ページはこちら
小雪
【ほし太の日向ぼっこ】
漆塗り
最近は古くなった漆製品を塗りなおす方が多くなりました。
かれこれ7~8年使ったメンパ。
フチの漆はすっかりハゲ落ちてしまっています。
周りを全部ペーパーでこすって落とし、
生漆を塗りました。
ちょっと刷毛目が目立つけどすっかりきれいになりました。
またこれでしばらく使えます。
【ほし太の日向ぼっこ】