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養老先生、病院へ行く 養老孟司/中川恵一 著

昨年発売となった解剖学者:養老孟司先生と、
東大医学部時代の教え子:中川恵一先生との共著。

「バカの壁」を読んで以来、養老先生のことが大好きになり、
NHKEテレの番組「ネコメンタリー猫も、杓子も」をみてから、
養老先生の愛猫まるのことも知りました。
この本は、
医者でありながら病院嫌いな養老先生が病気になり入院したこと。
まるが18歳で天国へ旅立ったこと。
養老先生が入院して病院嫌いに変化があったのかどうかを知るために、
中川先生が企画したヤマザキマリさんを加えた3人の鼎談。
という三つの内容からなっています。

養老先生がなぜ病院嫌いなのかというと、
「今まで野良猫のように生きてきた自分が、
家猫に変化させられるようなもの」だから。
「自分の死というのは自分の問題ではない」
(自分は死んでしまうのだから問題になりようがない)
と言いながらなぜ病院へ行ったのかというと、
それは奥さんに心配をかけるのはよくないからという理由でした。

結果的に重大な病気が発見され、
九死に一生を得て無事娑婆に戻った養老先生。
入院中は模範患者で白内障の手術まで行い、
眼鏡なしで本が読めると喜んでいる姿を見て、
中川先生は養老先生の病院嫌いに変化があったのではと考えます。
ところが養老先生、白内障以外は、
「発見された大腸ポリープは切除せず」「ピロリ菌も除菌しない」
というちょっと困った患者でもあります。

現代医療はすべてガイドラインに沿って、
誰でも同じ治療が行われるそうで、
それはいいことかもしれないけれど、
個としての患者をみているわけではない。
というのがこの本を読んでよくわかりました。
私も養老先生の考えには共感しましたが、
実際に自分が病気になったらやっぱり病院には行かざるを得ないでしょう。

そんな先生も、まるの病気に対しては、
2日に一度胸の水を抜きに獣医師のもとに連れていっていました。
人の死には、一人称、二人称、三人称の死があり同じ死でも異なります。
まるの死は先生にとっての二人称の死であり、
自分の死は奥様にとって二人称の死だから、
まるは病院に連れていき、自分も病院に行ったのですね。
養老先生の生き方はやっぱり素敵です。

【ほし太の日向ぼっこ】

日時: 2022年04月12日 16:03