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団地見学ツアー

現存する日本最古の鉄筋コンクリート造りの公営アパートは、
1948年に着工されたことから通称「48型」と呼ばれているそうです。
全国でも5棟しか残っておらずそのうちの2棟がなんと静岡市にあり、
見学ツアーが開催されているということをテレビで知り、
ちょうど申込期間中だったため申込をしたら見事当選!
見学会は6月11日(水)と14日(土)に各3回ずつ行われ
一回の定員は6名でした。
昼から雨が降り始めた14日に参加してきました。

羽衣団地(第一、第二)は、
静岡市葵区駒形通4丁目にありました。
近所に住む友人もこのツアーのことは知らなかったと言ってました。
申込みが70名以上もあったそうで、
一緒に見学された方も一度は落選したと話されていたので、
今回参加できて本当にラッキーでした。

新静岡駅から徒歩で何分かかるかわからないので早めに出たら、
見学開始時刻の15分前に着いてしまいましたが、
その時間でも先にお部屋に上がらせていただけたので、
10分くらい独り占めできて贅沢な時間でした。
間取りは2Kで8畳と6畳の和室があり、
玄関の廊下からどの部屋にも直接入れるよう工夫されていました。
鉄筋コンクリート造りなので支えるための柱は必要ないそうですが、
それぞれの部屋を仕切る建具を入れるための細い無垢の木の柱と、
壁は漆喰で塗られとてもあたたかみがあります。

まずは静岡市まちづくり公社の担当の方から、
座学として25分ほど画像を見ながら建物の説明を聞きました。
ツアーのきっかけは、
長崎大学の学生からのアンケートだったそうで、
「大変貴重なこの建物を静岡市は今後どのように活用していくのか」
という調査から、各地の大学教授らの視察等もあり、
昨年末から不定期に市民向けのツアーを開催しているとのこと。
おひとりで担当されているので
本当にその方の手が空いている時に行っているようです。
部屋に置かれた古い家具やラジオ、書籍などもその方の私物ということで、
この建物への深い愛とセンスのよさを感じました。

当時は珍しかったガス設備を完備し、
トイレは水洗で最新式のため、
職員が住み込みで使い方を指導したり調査研究に当たったようです。
当時のことはその方が書き残した日記を自費出版した
「石段」という本で知ることができるとのこと。
「48型」の建設目的は、
〇不足している住宅問題の改善(戦後復興)
〇生活水準の向上(水洗便所、ガスを使用した新様式住宅の提案)
〇市内業者の育成(鉄筋コンクリート造りの大規模建築物の建設で技術習得を行う)
 建築は竹中工務店が行ったそうです。
〇防火帯としての役割(静岡大火や静岡空襲を経て都市の防火対策)
とのこと。

台所と部屋の間には小窓があり、
できたお料理をここから渡せるようになっていました。
今でいうカウンターキッチンですね。
見学者たちもみなこの小窓が気に入っていました。

玄関を入ってすぐのところに洗面所とトイレがあり、
現在は洋式トイレに交換されここにお風呂が入っているとのこと。
和式の時の名残が手すりに残されていました。
浴槽を取り外し地下に残っていた当時のシンクと交換、復元されています。

その後別棟の地下に復元された共同浴場も見学しました。
数世帯で共同利用され、
薪で沸かしていたので天井は煤で真っ黒でした。

屋上も見学。
洗濯ものはここに干していたので、
居住されていた方たちのコミュニケーションの場でもあったようです。
屋上で撮影された当時の写真も見せて戴きました。

当時の家賃は一か月1,200円で、
大学初任給が6,500円、お米一升が150円の時代。
現在も居住されている方がいる現役公営住宅ですが、
入居の募集は十年以上前に終了しているとのこと。
とても興味深く貴重な体験でした。

【ほし太の日向ぼっこ】

日時: 2025年06月17日 16:47