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シネマ歌舞伎『蜘蛛の拍子舞』『身替座禅』

今月のシネマ歌舞伎『蜘蛛の拍子舞』『身替座禅』の
二本立てを鑑賞しました。
画像が大きすぎて入らなかったのでムビチケの写真ですが、
下の段の左側が身替座禅です。

まずは『蜘蛛の拍子舞』、「拍子舞」というのは、
拍子に乗って歌うようにセリフをいいながら踊る技法のこと。
玉三郎さんの美しい女形姿から土蜘蛛に変化してからのギャップがすごくて、
ノリノリで演じられているのが楽しかったです。
源頼光(尾上菊之助)とその家臣の四天王
(尾上松緑、中村萬太郎、尾上右近、坂東三津五郎)
による土蜘蛛退治の物語。
最初は優雅に踊る様子が艶やかで、後半は大蜘蛛が大暴れ。
蜘蛛が見得を切って大立ち回り、
頼光たちは苦戦しますが最後に怪力無双の坂田金時が駆けつけます。
女郎蜘蛛が投げつける蜘蛛の糸が縦横無尽に流れ飛び、
三味線の超絶技巧も素晴らしかったです。

次に『身替座禅』
六世尾上菊五郎と七世坂東三津五郎が初演し大評判となった演目を、
それぞれの孫とひ孫にあたる、勘三郎さんと三津五郎さんが務め、
2人に振り回される太郎冠者を染五郎さんが演じます。

大名の山蔭右京は、奥方の玉の井に隠れて、
恋人の花子に逢いに行きたさに、
持仏堂に籠り座禅の行を行うと嘘をつき
太郎冠者を身替わりにして出かけます。
夫を心配して見舞いに来た奥方に身替わりがばれ、
太郎冠者になり替わり夫の帰りを待つ玉の井。
そこへ浮かれ気分で帰ってくる右京がそうとは知らずにのろ気を話します。

勘三郎さんの浮かれぶりとそれを聞いている、
怒りに震える玉の井との対比が面白かったです。
奥方は立役の方がやり怖さを出すそうですが、
三津五郎さんの奥方は何だか可愛く見えてしまい、
勘三郎さんもバカな夫を見事に表現され、
とても微笑ましい楽しい演目でした。

久しぶりに大きな画面で歌舞伎を堪能できて嬉しかったです。

【ほし太の日向ぼっこ】

日時: 2020年05月31日 15:58