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恋の手本となりにけり 永井紗耶子著 小学館

「木挽町の仇討ち」がとてもよかったので、
永井さんの他の作品も読んでみたいと思い選んだ本。
読後に気づいたのですが、
第十一回小学館文庫小説賞を受賞した「絡繰り心中」を改題し、
加筆修正したデビュー作でした。
すでにこの時から「木挽町の仇討ち」に通ずるものがあり、
江戸の市井に生きる町人と武士、吉原で暮らす女たちの姿が、
リアルに描かれていてとても面白かったです。

遠山金四郎と聞けば時代劇ファンにはお馴染みですが、
その金さんがまだ18歳で名もなく職もなく、
旗本の家を出て町民として放蕩生活を送っている頃、
何かと世話になっている太田南畝のお供で訪れた吉原で、
翌朝大門の外に広がる田んぼの中、
刀で切られ一人で死んでいる花魁雛菊を発見する。
南畝に促された金四郎は歌川国芳と共に下手人探しを始めます。
物語はミステリーの要素満載で、
雛菊の死の真相に近づくにつれ、
それぞれの身分制度に絡めとられた悲劇が浮かび上がってきます。
タイトルは曽根崎心中の最後の一節とのこと。
自分の死も曽根崎心中のような物語にしたいと願った
雛菊の気持ちを思うと悲しいですが、
このことが遠山金四郎のその後に
深くかかわったであろうことは容易に想像ができました。

【ほし太の日向ぼっこ】

日時: 2025年07月09日 14:01