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映画 『許されざる者』 李相日監督

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クリント・イーストウッドが監督主演し、アカデミー賞 作品賞を受賞した作品を、
明治初期の北海道(蝦夷)に舞台を移し時代劇としてリメイクされたのだとか。

私はオリジナルを見ていないので、
どこまでが忠実に再現されていたのか今一つわからなかったけど、
北海道の大自然を写した迫力ある映像美が印象的でした。

伝説の人斬り十兵衛を演じた渡辺謙は、渾身の演技だったけど、
どうしてもそれほどの悪人には見えなかったし、
妻によって、人間らしい生活を手に入れ、子供二人を育てていながら、
また人斬りに戻るという設定自体が、私には受け入れ難いものでした。

柄本明演じる金吾は、昔なじみの十兵衛をまた殺人の場に引っ張り出しながら、
自身は最後の一線を越えられず脱落していく悲哀を見事に演じ、
すごく上手だったけど、実際そんな人がいたら迷惑な話ですね。

アイヌの青年五郎を演じた、柳楽優弥、
実はエンドロールが流れるまで彼が演者とは気が付きませんでした。
それほど彼は役になりきっていたと思います。

佐藤浩市は、自分の街を守るために時には悪に徹する警察署長を見事演じていました。

他、小池栄子、忽那汐里等々好きな俳優陣が沢山出ていたので、
その点は楽しめましたし、それぞれ迫真の演技が伝わってきました。
みんなが力を合わせて、一生懸命に作った真面目な映画という印象を受けました。

ところでタイトルの『許されざる者』とは、いったい誰のことなのでしょうか?
やっぱり人斬り十兵衛のことなのかな?それとも賞金首の二人なのか、警察署長なのか…。
人は誰でも罪深いものだということなのかな。

【ほし太の日向ぼっこ】

日時: 2013年09月19日 07:41