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映画 すずめの戸締り 

前情報なく鑑賞。
とてもスピード感があり、随所にユーモラスな表現と、
ジブリ作品へのオマージュが感じられながら、
描かれる世界はとても普遍性がある重いテーマだと感じました。

主人公は16歳の高校生鈴芽。
4歳の時遭遇した東日本大震災で母親を亡くし、
現在は叔母の環さんと宮崎で二人暮らし。
いつもと同じ日常が始まった朝、
登校途中に出会った不思議な青年草太の言葉が気になり後を追うと、
廃墟には扉が・・・
それは日本列島に地震を引き起こす巨大なエネルギー、
ミミズの出口となっている後ろ戸と呼ばれるもの。
その封印を解いて後ろ戸を開いてしまった鈴芽は、
後ろ戸を閉める役割を持つ草太と共に、
日本各地の廃墟にある後ろ戸を閉める旅に出ます。

後ろ戸を閉めるとき、
かつてそこにいた人々の暮らしを強く思い浮かべなければなりません。
ささやかでかけがえのない日々の大切さと、
当たり前の日常がなくなってしまった悲しみを感じました。
リアルな震災後の表現や緊急地震速報の音など、
震源地からかなり離れた場所にいた私でさえも、
当時のことを思い出しドキドキする場面もあったので、
震災を体験された方が鑑賞するのは
辛い記憶がよみがえってきてしまわないかと少し心配になりました。
鈴芽自身はこの旅によって受けた心の傷と向き合い成長していくので、
そうであればいいと願うばかりです。
新海誠監督作品に共通した美しい風景と人物描写はさすがでした。
声優陣も皆さんとてもよかったです。
ベルリン国際映画祭にノミネートというニュースもありましたので、
本作が海外の方にどのように評価されるのか楽しみです。
ぜひ金熊賞を受賞してもらいたいと思います。

【ほし太の日向ぼっこ】

日時: 2023年02月18日 11:15