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咲き定まりて ~市川雷蔵を旅する~ 清野恵理子著 集英社インターナショナル

本との出会いは本当に不思議です。

旦那様は、かなりの映画好きですが見るのは古い映画ばかり、
超話題作のハリウッド映画には目もくれず「成瀬巳喜男」や「溝口健二」、
「トリフォー」「ゴダール」などといった監督作品を夜な夜な鑑賞。
そんな旦那様が、日本の俳優で一番は「市川雷蔵」だとよく言っていました。

生活クラブ生協が月に一度お勧めの本を紹介するカタログ「本の花束」に、
この、「市川雷蔵を旅する 咲き定まりて」が紹介されていたので、
とりあえず旦那様が興味あるかもと思い図書館で借りてみました。、
本文は読めなくても写真だけでも見るかなぁと軽い気持ちでした。

ところが序章を読んですぐに引き込まれ、そのまま私が先に読了。
タイトル通り、市川雷蔵を旅しました。
そしてそのすごさの一端を垣間見ることができました。
何よりもこの本は、
市川雷蔵を愛する方々によって生み出されたということが強く伝わりました。
それをさせるほどの役者だったということです。

市川雷蔵は、1954年の映画デビューから37歳という若さで亡くなるまでの間、
ほぼ15年にも及ばない短い期間に出演した作品数は159本。
その中の28作品に焦点を当て年代順に紹介されています。
映画のあらすじはもちろん、監督や脚本家、美術、衣装、メイクについても語られ、
当時の状況と合わせて、読みながらとても臨場感がありました。

「仁(にん)」という言葉が出てきます。
「にん」とは、役者の持ち味、あるいはその役にふさわしい雰囲気とでもいうか、
生まれ持っての資質に、修練を重ねて蓄積された芸の力で、
観る者を唸らせる様子や立ち姿などを指すのだそう。
市川雷蔵には、間違いなくその「にん」が備わっていたのだといいます。

また着物に対する見識とこだわりで、
「雷蔵さんくらい、着流しのきれいな俳優さんはいなかった」と衣装の方に言わしめるほど。
どんなに忙しくても現場に台本を持ち込むこともけしてなかったと言います。

この本で紹介されている映画は代表作といえる作品ばかりでしたが、
私は一本も観たことがありませんでした。
これほど素晴らしい役者さんが、こんなに若くして亡くなってしまった事は、
本当に残念で、日本映画にとってかなりの損失だとショックを受けましたが、
幸いなことに、今はDVDで殆どの作品を観ることができます。
これからは、旦那様が借りてきたらぜひ一緒に観たいです。

【ほし太の日向ぼっこ】

日時: 2019年07月29日 18:09