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サラの鍵

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「サラの鍵」を最初に知ったのは映画の予告でした。
でも「この本を読もう!」と思ったのは、
私の好きな作家の「角田光代さん」が、
よかったという感想を書いているのを読んだからです。

その記事には「映画もとてもよかった」とあったので、
映画も観たいと思いますが、
内容がとても重いので覚悟がいります…。

普通、原作がいいと映画は物足りなく思うものですが、
このケースは両方いいというのです。

フランス警察による、フランス国民であるユダヤ人の一斉検挙
通称「ヴェルディヴ事件」。
1942年に実際にあった、この惨劇は、
日本人の私だけでなく、フランス国民にもあまり知られていない事件でした。

物語は、その一斉検挙の朝、
弟を守るために隠し部屋に隠して鍵をかけた「サラ」と、
現代のフランスで「ヴェルディヴ事件」を調査する、
アメリカ人ジャーナリスト「ジュリア」の物語が交互に展開されます。

サラは、すぐに戻って弟を部屋から出してあげられると思っていました。
けれども両親とも引き離され、様々な困難が降りかかり、
ついには弟を助けるために収容所を脱出します。
サラの気持ちが痛いほど伝わってきて物語に引き込まれました。

そしてサラの人生を通してジュリアもまた、
自分の人生について深く考えます。

あまりにも悲惨な出来事は
「知らない方が幸せだったかもしれない」とも思いますが、
読み進むうちに
「知らないことは罪かもしれない」とも思えてきました。

今の自分が、どんな人々の子孫であるのか、
どんな出来事の積み重ねによって今ここに存在しているのか
そんなことを考えさせられた本でした。
読んでよかったと思います。

「サラ、私もあなたのことを忘れない」

【ほし太の日向ぼっこ】

日時: 2012年02月25日 07:11