赤と青とエスキース 青山美智子著 PHP研究所
「月の立つ林で」に続いて、
青山美智子さんの「赤と青とエスキース」を読みました。
「月の立つ林で」は「ツキない話」という、
ポッドキャストの配信が全ての物語をつないでいきましたが、
今回のそれは「エスキース」という一枚の絵でした。
オーストラリアのメルボルンは個人的にも思い出のある地ですが、
物語はまずその場所で
この「エスキース」が描かれるところから始まり、
それは切ない恋物語として描かれます。
やがてこの「エスキース」は、
色々な時代と人々の間を巡っていきます。
額縁製作者、漫画家とその弟子、喫茶店のマスターと女給、
51歳の女性と元カレ・・・。
そして最終章でそれまでの全てがつながるのですが、
それは気持ちのいい驚きでした。
そしてもう一度最初から読み返したくなる物語です。
人生には様々なことが起こります。
もちろん幸せなことばかりではないけれど、
それらすべてが今の自分を創っているのだなぁと、
この物語を読み終えて
自分にとっての「エスキース」を想いました。