歌川国芳展(前期)
静岡市美術館で、没後150年・幕末の奇才浮世絵師「歌川国芳展」が開催され、
前期後期の共通前売り券を購入して楽しみにしていたのですが、
なかなか行ける機会がなく、
やっと前期の最終日にあわてて観に行きました。
先に行った娘から「かなり時間かかるよ!」と聞いていましたが、
なるほど、サブタイトルに「史上最大級!空前絶後!」とあるとおり
421点も展示されていて3時間かけての鑑賞でした。
この国芳さん、
かなり反骨精神と、ユーモアのある人らしく、
「天保の改革」によって役者や美人画など、
それまでの浮世絵の主流が贅沢とみなされ制限されたとき、
動物で人を表現したり、
物語上の人物にその時の政治家を見立てて痛烈に皮肉ったりと
見ていて思わず笑ってしまいました。
そして勉強家でもあり、西洋の銅版画を手本に、
透視図法や明暗法の効いた作品を描いたりもしています。
紙を三枚つなげて大迫力の浮世絵を完成させ、
其面影程能写絵(そのおもかげほどよくうつしえ)という、
影絵でみるのとその正体が並べてあるなど、
本当に国芳ワールドを存分に楽しめました。
それにしても、江戸時代の庶民の教養の高さやとんちにも感心しました。
色々な知識に基づいて作品として浮世絵を楽しんでいた様子が伺えました。
【ほし太の日向ぼっこ】