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サンショウウオの四十九日 朝比奈秋 著 新潮社

第171回芥川賞受賞作品「サンショウウオの四十九日」
を読みました。
朝比奈秋さんの著作を読むのは初めてですが
なんと現役のお医者様でもあるそうです。

冒頭から主人公の父親が
伯父の胎児内胎児として出生したという過去が語られ、
手塚治虫さんのブラックジャックを想起しました。
現実とは思えないような設定だなあと読み進めていくと、
さらに主人公はなんと結合双生児。
体や臓器は一つだけ、
顔は違う二つの顔が少しずれてくっつき、
はたから見れば一人に見えるけれど、
それぞれ別の人格をもつ「杏」と「瞬」
二人の意識や言葉が違和感なく語られるので
初めは全く気づきませんでした。
5歳の時に瞬を発見した杏のエピソードや、
一つの体を共有しているがために、
それぞれの得意な場面で人格が入れ替わるなど、
印象的な場面がいくつかありました。

一年間父に栄養を送り続けた伯父は、
別々になっても体が弱いまま50代で亡くなり、
父は病気ひとつせず丈夫に育つ。
杏と瞬を完璧に見分けられる父と一緒に
伯父のお葬式に参列した時、
杏と瞬は自分たち姉妹の死について考え始めます。
あまり身近にはない設定でありながら、
内容は普遍的でとても哲学的でした。

【ほし太の日向ぼっこ】

日時: 2024年08月22日 16:05