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渦 妹背山女庭訓 魂結び 大島真寿美 著 文藝春秋

2019年上半期直木賞を受賞した、
大島真寿美さん著『渦 妹背山女庭訓 魂結び』を読みました。

大島真須美さんの本といえば、
『ピエタ』が今でも心に残っています。
ピエタを読んだのは、ちょうど東日本大震災の直後でした。
日本中が傷つき、無力感を感じていた中、
この本にどれだけ救われたことでしょう。
それ以来大島さんはかなり好きな作家さんです。

『渦 妹背山女庭訓(いもせやまおんなていきん) 魂結び』は、
江戸時代に実在した浄瑠璃作家、近松半二を中心に、
同じく浄瑠璃作家、太夫、人形遣い達の、
そして何より人形浄瑠璃を取り巻く物語です。
今年は歌舞伎や文楽を鑑賞する機会があり、
とても思い入れがあったので、
この物語世界に遊ぶことはとても楽しかったです。

半二が活躍した江戸時代は、
人形浄瑠璃の小屋も歌舞伎の小屋もたくさんあり、
大衆芸能として庶民に根付いていました。
登場人物も、出てくる演目も実在のものということですが、
彼らを生き生きと動かしているのは大島さんのペンです。
半二が筆で描く詞章も物語も、操り浄瑠璃の演目も、
半二が書いているのか、大島さんが書いているのか、
全て渦の中にもともとあったものなのか…。

現代まで脈々と続いている日本の伝統芸能は、
多くの先人たちのおかげで、
当時のままではないにしても、時代に合わせ変化しながら、
今でも私たちが鑑賞できることは、
とてもありがたいことなのだと感じました。

【ほし太の日向ぼっこ】

日時: 2019年10月24日 17:15