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スーパー歌舞伎 ヤマトタケル

今月のシネマ歌舞伎は一番楽しみにしていた、
スーパー歌舞伎のヤマトタケル。
2012年6月に上演され、二代目市川猿翁、四代目市川猿之助、、
九代目市川中車、五代目市川團子の同時襲名でも話題になりました。

哲学者 梅原猛が、三代目市川猿之助のために書き下ろした
神話世界のヤマトタケルの半生の物語は、
昭和61年から上演されていたそうで、
チケットは高額の上、入手も困難と聞いていました。
今から20年以上前に知り合いが観劇すると聞いて、
羨ましく思ったことを今でも覚えています。
それが映画館で鑑賞できるなんて、本当にありがたいです。

上演に先駆けて猿之助と中車の口上もあり、
始まる前からワクワクしました。

ヤマトの国の皇子小碓命(おうすのみこと:猿之助)は、
兄大碓命(おおうすのみこと:猿之助二役)の謀反をいさめているうちに、
誤って兄を殺してしまいます。
兄をかばって本当のことを話さなかったため、
父である帝の怒りを買い熊襲の征伐にたった一人で行かされます。
父の許しを得るため、策を講じて熊襲を退治しヤマトタケルと名のり、
無事に大和の国に帰ると、
またしても父から東国蝦夷の征伐に行かされます。
次々と試練が襲い掛かりますが、無事に蝦夷を倒し伊勢まで戻ってくると、
さらに伊吹山の荒ぶる神の退治までいいつけられ、
傷ついたヤマトタケルは、大和に帰る途中の能煩野で、
故郷を懐かしむ歌を残して力尽きます。

早変わり、立ち回り、姫たちとのロマンス、悲劇、アクロバティックな動き、宙乗り、
衣装の豪華さと、見どころだらけですが、
何よりも猿之助の熱演に胸をうたれました。

父と息子の物語は、そのまま猿翁と中車の関係性とリンクして、
フィナーレにもまた感動しました。

途中休憩が2回入り、上演時間だけでも220分という長丁場ですが、
まったく長さを感じないで、最初から最後まで目が離せない舞台でした。
素晴らしかったです。
みんなにお勧めしたいのに、上演期間が7日間という短さなので、
鑑賞できた人は幸せだと思います。

【ほし太の日向ぼっこ】

日時: 2019年10月23日 17:24