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第十七回菊姫会総会 その3

菊姫会も二日目に入り、
最初に菊姫会の総会が行われました。
活動報告、予算や事業計画などすべてが承認されました。

その後、製造部井出さんによる
『R1BYの造りや現在の商品に関して』の説明がありました。
これは昨年の参加者アンケートでリクエストがあったそうです。

令和元年の山田錦は10年ぶりに硬い年で、
造りで対応が求められる年だったといいます。
対応を考えているうちに終わってしまうアイテムもあるため、
スピードが求められ、過去のデータで予想をたて、
製造部8名で半日で今年の仕込みを決めたそうです。

硬いと溶けにくいため、味は例年よりややキレイ目で、
少しおとなしめに感じられる酒質に仕上がるのが特徴ですが、
結果的にはいつも通りか、後半は濃い味わいのものもあったそうです。

次にアイテムごとの説明です。
ひやおろしは、2011年9月に初めて蔵出しされました。
初年度はひやおろしのランキングで2位となったほど人気を得ました。
しかし、すっとした酒質をねらったものの意外と濃く仕上がったため、
毎年微調整を繰り返し昨年完成したそうで、
最初から比べると軽快な味わいとなったそうです。

姫は、昔造った種酒がなくなったため、
裏ラベルの糖類表示がなくなり菊と同じ表示となったそうです。

大吟醸・加陽菊酒・山廃純米は、
いわゆる吟ひねという熟成感を少し軽くしているそう。

特選純米は、一時熟成感が軽くなったが今は戻っている。

今後は、金剣や山廃純米の長期熟成酒や、
特選純米の高級バージョンの発売を予定しているそうです。

色々と楽しみな今後です。

二日間の最後を締めくくるのは、菊姫代表 柳達司氏による
『菊姫の考えるアルコール添加について』のお話でした。

昭和23年、腐造乳酸菌の進入により
酒質に変調をきたす大腐造が起こり、
その時に白米1トンにつき、
270リットルのアルコールを入れてよいこととし、
政府がアルコールの補てんを認めたのだそう。
また、太平洋戦争前後のコメ不足の時代に、
醸造した日本酒にさらに2倍のアルコールを添加し、
酸と糖分を入れて三倍の量の酒を造るという
三増酒ができました。

本来は緊急時の措置だったのが
大メーカーが儲けのために大量に造るようになり、
粗悪な日本酒が広く出回り、
そこから現在の日本酒離れが始まっているそうです。

本来アルコール添加というのは悪いことではなく、
醸造方法だったといいます。
ポルトワインは、甘さを留めるため発酵を止める目的でアル添し、
清酒も、本来は米の旨みを残した状態で
酵母を死滅させるためアル添をするそうです。

吟醸酒の造りも、
昔は醸造技術としてアルコール添加をし、
香りを留めていたものが、
現在はセルレニン耐性菌が作られ
簡単に強い香りの酒ができるようになったそうです。

事程左様に、本来は正しく行われるべきことが、
メーカーに悪用されてしまい
現在の日本酒の凋落につながっています。
最後に柳社長は、
「料理酒は料理につかってはいけない」という言葉で締めくくりました。
確かに我が家ではもう何年も料理酒は『姫』です。
娘も『姫』でなければといいます。
飲む酒も、調味料も本物がいいですね。

内容の濃い大変に充実した二日間でした。

【ほし太の日向ぼっこ】

日時: 2020年02月21日 17:06