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『大家さんと僕 これから 』 矢部 太郎 著

お笑い芸人の矢部太郎さんが書いた「大家さんと僕」は、
大家のおばあさんが一人で暮らす家の二階に、
僕が引っ越してきてからの交流を描いた4コマ漫画。
実話ベースですが、矢部さんから見た大家さんを描いたもので、
フィクションですと最初に書かれていました。

大家さんは戦前生まれ、上品でおっとりとしていて、
挨拶の言葉はいつも「ごきげんよう!」
お嬢様育ちでちょっと浮世離れしていますが、
とてもチャーミング。
あまり売れていないお笑い芸人の僕を俳優と勘違いしています。
4コマで描かれる二人のエピソードは、
時には大家さんの戦争体験なども語られ、
大家さんの過ごしてきた人生も想像させられます。
時々クスっと笑えて心の中がほんわか温かくなるようなエッセイ漫画でした。

その本は2018年に「手塚治虫文化賞 短編賞」という賞を受賞しましたが、
もう続編は描かないつもりだったと言います。
大家さんが体調を崩されたことと、
これ以上のものが描けるとは思っていなかったのが理由でした。

けれど、大家さんが楽しみにしてくれていることを知り、
大家さんのために続編を描くことを決め
「大家さんと僕 これから」ができました。
連載中に大家さんが亡くなるという悲しいことがありましたが、
湿っぽいのが嫌いな大家さんのために明るく描いたのだそうです。

この本の中で大家さんと矢部さんの物語は、
これからもずっと続いていくのだと思います。

【ほし太の日向ぼっこ】

日時: 2020年07月08日 16:53