映画『ショート・ターム』 監督デスティン・ダニエル・クレットン
アメリカの短期保護施設「ショート・ターム12」で働く女性職員(グレイス)と、
心と体に傷を負った子供たちとの交流を描いた映画。
収容されている子供たちは、時々どうしようもない衝動に駆られ
施設を脱走することがあります。
職員は施設外に出た子供には決して触れてはいけないという規則がある。
そのため、脱走した子供たちを追いかけ、見守り、ひたすら言葉で説得し帰宅を促します。
時には何時間も、どこまでも付き添います。
常に子供たちの心に寄り添い見守るグレイスには、
同僚で恋人のメイスンにも言えない秘密があり、
それゆえに妊娠した子供を産むという決断がなかなかできないでいます。
そんな時、施設に新しくジェイデンという少女が入所してくる。
回りとも馴染めず孤独なジェイデンに寄り添っているうちに、
彼女が父親から虐待を受けているという事実に気づいてしまうグレイス。
次第に見守るスタンスから逸脱していく中、
その行動とともに自らの葛藤をも克服していく。
この映画は、子供が大人の支配によっていともたやすく傷つけられていくこと、
そして、負った傷を癒すのはたやすいことではないけれど、
自分を見守ってくれる人がいる、と気づくことによって、
立ち直り、成長していくことができるのだということを淡々と映し出します。
明日からの君の方が、僕は、きっと好きです。
パンフレットに載っていたキャッチコピーです。
その言葉どおり、映画は明るい希望で締めくくられます。
いい映画ですが、
妊娠中のグレイスがあんなに全速力で走ったり、
トランポリンなんてして大丈夫なの?
とささいなことが気にかかってしまいました。