木の匙
漆塗りの仲間が、
木地のままのスプーンを買ってきて
自分で丁寧に拭き漆をして仕上げていました。
おそらく10回以上は塗っていました。
友人は漆塗の本職ではないけれど、
丁寧に仕上げられた漆塗りのスプーンは
市販の物よりも美しく感じ、
桜の木の木目がとてもきれいです。
手に持つとその軽さに驚きます。
「仕上がったスプーンはどうするの?」
と聞いたら
「知り合いに頼んでフリマかどこかで売るつもり」
というので他の仲間と一緒に、
「知らない人に売るくらいなら私たちが買いたい」
と申し出ました。
さてそうはいっても、
木地の状態で買ったスプーンの値段は1500円で、
それに手間ひまかけて漆を塗って仕上げたら
いったいいくら支払ったらいいでしょう。
市販されたら5000円以上はします。
言ってはみたものの、
実際には売ってもらえないだろうと思っていたのですが、
何とほとんど原価でということでした。
手間と塗った漆の値段は自分が楽しんだ代償
と考えているのでしょうか。
仲間の優しさにつけこんだみたいで本当に申し訳ないですが
どれくらい手間がかかっているか十分わかっているつもりなので、
大事に大切に使わせていただきます。