木挽町の仇討ち 永井紗耶子著 新潮社

第169回直木賞、第36回山本周五郎賞をダブル受賞したという作品、
ずっと読みたかった「木挽町の仇討ち」を読みました。
冒頭、江戸時代の芝居小屋の近くで起きた、
まるで芝居の様に見事な仇討ちが描かれます。
その二年後、仇討ちを成し遂げた菊之助の縁者という若い侍が
芝居小屋を訪れ、
その仇討ちを見たという芝居小屋の人々に、
その情景や真相を尋ねていきます。
また、仇討の真相だけでなく、
その者たちがどのようにして芝居小屋に辿り着いたのか、
という背景についてもその若侍は尋ねます。
江戸の芝居小屋は悪所と言われ、
関係者は人外の者と蔑まれながらも、
義理人情に篤い人々がどのように菊之助と関わりをもち、
仇討ちが成し遂げられたのかが次第に明らかになって行きます。
そしてこの若侍がなぜ仇討ちの真相と、
芝居小屋の人々の生きざまを聞いているのか、
菊之助の心の葛藤や、武士道、仇討、
ということが詳細な描写で描かれていてとても読み応えがありました。
読みながら著者が歌舞伎にかなり詳しい人だと感じ、
この物語を読み終えた後は、
まるで歌舞伎の通し上演を観たような気持になりました。
と思ったら、すでに今年の4月に歌舞伎座で
新作歌舞伎として市川染五郎さんの主演で上演されていました。
もっと早く読んでいたら絶対に観たいと思ったでしょう。
再演を期待します。
そして永井さんの別の作品も読みたくなりました。

























