ふじのくに⇔せかい演劇祭2023 Ⅱ
29日夜は静岡県舞台芸術公園野外劇場にて、
オリビエ・ピイ氏演出の「ハムレット(どうしても!)」
を観劇しました。
ピイ氏はSPACの常連さんでいつもユニークな作品を披露してくれるので、
今回も楽しみにしていました。
ハムレットはシェイクスピアの四大悲劇作品の一つであり、
登場人物は約30名というこの作品を、
なんと4人の俳優と1人のミュージシャンが様々に演じ分け、
しかもとってもスピーディな展開にまずは新鮮な驚きがありました。
そして、タイトルに(どうしても!)とあるように、
普通のハムレットと決定的に違うのは、
場面のところどころに世界中の哲学者たちが登場し、
それぞれの解釈を披露していくところ。
デカルト、フロイト、ハイデガー、ヴィトゲンシュタイン・・・。
ハムレットは1600年ごろに発表され400年の間には
多くの解釈や謎が残されているそうです。
ピイ氏の、それらの解釈や謎のすべてを総観できる
「ハムレット」の百科事典のような芝居を作りたいとの思いから
この創作が始まったというのも興味深いです。
天気予報はあいにくの雨。
野外なのでカッパや防寒を万全にして臨みましたが、
以外にも終演までお天気がもちそうな雰囲気で進行。
ところが、オフィーリアの死の場面で突然降りだしてきました。
それも演出の一つなのでは?
と思わせるほど雰囲気がピッタリでした。
観劇後は、ハムレットの苦悩とともに、
400年の長い時間を共にタイムスリップしたような、
軽い疲労感と充実感に包まれました。