Release/解放 渡辺英司
東静岡アート&スポーツ/ヒロバで3月6日から開催中の、
渡辺英司氏による現代アートRelease/解放を鑑賞しました。
この広場には古い鉄道コンテナが置いてあり、
そこで不定期にアートの展示が行われ、
毎回楽しみでもあります。
コンテナには「RELEASE」という電飾がつけられていて、
これも作品の一つ。
コンテナの中にはたくさんの魚たち。
手前には海外製の立派な本が置かれています。
その本は自由に手に取ってよいということでしたので、
ページを開いてみると
魚の形に切り抜かれたページが次々現れます。
生物の絵や写真というものは一つもないので、
それが魚類図鑑、あるいは海の生物図鑑だということに
しばらくは気づきませんでした。
そしてこの本の中にいた生物が今目の前に並べられていることに気付いた時、
Releaseという言葉が立ち上ってきて、
とても面白い表現方法だと思いました。
戴いたチラシには白井嘉尚(美術家・静岡大学名誉教授)氏の解説として、
「~図鑑から「図」を切り抜くことで、人間による知的捕捉の網の目から解放し、
展示空間を生命のざわめきで満たす。
人間による自然探求のモデルとしての図鑑への知的関心、
整理分類を超えた生命のつながり、また神秘的なまでの色彩と形態を、
与えられた空間に解き放つ」とありました。
なるほど、図鑑の中と外とでは生命感がまるで違います。
こうやって日常の中でアートに触れられるのはとてもいいと思います。
3月21日(月・祝)まで。