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ほしいもブログ
SPAC秋→春のシーズン2021-2022
久しぶりのSPAC「夜叉ヶ池」を鑑賞しました。
調べたら静岡芸術劇場で2012年10月に、
2015年7月に韮山反射炉が世界遺産になった記念に韮山で上演されたのを、
娘と一緒に鑑賞して以来実に6年半ぶりでした。
泉鏡花原作は、夜叉ヶ池に住む魔物と民間伝承が織りなす幻想的な世界です。
配役はおそらく前回と同じで演出がコロナ過を反映したものになっていました。
時は大正時代。
その昔、村人は夜叉ヶ池の竜神と、
「日に三度鐘をつくこと。さもなければ竜神が池を飛び出し、
たちまち村は洪水で池の底に沈む」という約束を交わしたことを、
ずっと守っていました。
山奥の民話を採集しにこの地を訪れた学生の萩原晃は、
最後の鐘守りだった老人が亡くなる際に頼まれた鐘つきを、
村の娘百合と夫婦となり守り続けていました。
そこへ学友だった山沢学円が晃を探し訪れます。
晃が学円を夜叉ヶ池に案内している隙に、
村人たちがやってきて日照りが続いた村に雨を降らせるための
雨ごいの生贄として百合を連れ去ろうとします。
一方、夜叉ヶ池の主『白雪姫』のもとには、
剣ヶ峰の竜神『千蛇ヶ池の若君』から文が届きます。
恋しい若君に会いにすぐにでも池を飛び出していきたい白雪姫。
けれど自分が池を飛び出すと美しい百合も死んでしまうと思い我慢します。
自分たちの欲望を満たすためだけに行動する村人たち、
百合のために自分の気持ちを抑える白雪姫。
観ていると魔物の方がよっぽど相手を思いやる心があると感じます。
人間の世界はモノクロに近く、
魔物の世界はカラフルなメリハリのある衣装と舞台美術。
ユーモラスな場面とシリアスな状況の対比。
幻想的な世界を盛り上げる生演奏と、
久しぶりのSPACワールドを堪能しました。
終演後のアーティストトークは、
DJロニさんの司会で、宮城さん、永井さん、布施さん、奥野さんが登壇し、
ロニさんのSPAC愛溢れるインタビューがとても楽しかったです。