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菊姫会2015 その1

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毎年2月に開催される菊姫会に今年も参加してきました。
菊姫を販売している志の高い酒販店が全国から集まり、勉強や懇親を深めます。
今年は74の酒販店から80名が参加しました。

初日は菊姫会会長 酒舗まさるや代表 園部松男氏、菊姫社長 柳達司氏のあいさつに始まり、
菊姫の若き跡取りである 柳荘司専務より今後の菊姫についての講演がありました。

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荘司さんは、菊姫はこれからもより良質な酒を造り提供していくことはもちろんのこと、
現在の日本酒市場についても触れ、5つの点に絞られてお話されました。

一つ目、北陸新幹線開業に沸く地元石川県で一番売れる酒というのが、
ゆるキャラ『ひゃくまんさん』のラベルがついた酒だということ。
これは、中身が置き去りにされているのではないか。

二つ目、最近ソフトできれいななタイプの山廃仕込みの酒が販売されているが、
その味の特徴は山廃ではない=速醸仕込みの酒と同じ作りのものなのではないのか。
そのことに対してチェック機能がないことも問題。

三つ目、本来最高の酒米は山田錦であることは間違いないが、
酒米ではない米で仕込んだ酒が、幻のコメなどとマスコミでもてはやされている点。
これも裏付けが何もない。

四つ目、小さな酒蔵が手作りで昔ながらの方法で仕込んでいることが、
最高に旨い酒ができると消費者が考えていること。
菊姫では、その年の気候、原料米の状態がどのように変化しても、
最高の酒質を目指して造りを行う設備を揃え、人を育てている。
今年は洗米機を新しくし、糠切れが良くなるとともに、水の使用も抑えられエコにもなったこと。
また新濃密度計も導入したことについてお話されました。

最後五つ目、純米吟醸というものを最近よく見かけるが、
本来どっしりとした様々な旨味ののった純米酒と、
すっきりと切れの良い上品な吟醸酒は、水と油ほども違う相反するものであるのに、
誰がいつ、このようなカテゴリーを作ったのか。

日本酒の出荷量は現在、最盛期の約1/3以下に落ち込み、
まっとうな日本酒の味の基準がなくなっている。
マスコミも裏付けをとらずに企業側の言い分をそのまま
チェックすることなく広報してしまうことが一番問題である。

荘司さんのお話は簡潔でありながら、
現在の日本酒がおかれている市場というものがとてもわかりやすく、
また憂える事態だということが身に沁みました。

初日はあともうお1人の講演と、勉強会がありましたが、
長くなってしまったので、続きは明日にします。

【ほし太の日向ぼっこ】

日時: 2015年02月19日 16:48