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ふじのくに⇔せかい演劇祭2024 かもめ

ふじのくに⇔せかい演劇祭2024最後の観劇は、
ベルリンから参加のトーマス・オスターマイヤーさん演出
チェーホフ原作の「かもめ」でした。

舞台上に仮設の客席が作られ、
間近で俳優たちの演技をみられるのは圧巻で、
また背景の白幕に雄大な山脈や木が
墨絵のようにゆっくりと描かれていくのも独特の雰囲気でした。
上演時間は休憩を含んだ210分で、
会話が中心の群像劇(しかも字幕)で、
登場人物に共感できる人がいないという、
なかなか観ているのが大変でした。

この作品は、
SPAC芸術総監督宮城聡さんが
「ふじのくに⇔せかい演劇祭2024に寄せて」
という文章の中に書かれていた、
「観るためには観客の側にも努力がいる、集中力やエネルギーが求められる」
というまさにそんな体験でした。
また宮城さんは、「(そういった)作品と出会うことは、
この世界への自分のスタンスが変わってゆく契機になり、
長く続く喜び、生きることの楽しさにつながる」とも言っています。
「フェスティバル」という非日常空間でなら、
「観る側もエネルギーを出すこと」をためらわず楽しめるはずだし、
そういう時空間をこそ作ってゆかなければならないと
改めて強く思っています。

という宮城さんにすっかりしてやられた感じですが、
本当に、こういう場を作って下さることに改めて感謝です。
来年はどんな体験ができるのか、今からとても楽しみにしています。

【ほし太の日向ぼっこ】

日時: 2024年05月11日 09:56