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ギリシャ語の時間 ハン・ガン著 晶文社

どうしてこの物語を手に取ろうと思ったのか、
おそらくどこかの書評か何かを見聞きしたからで、
韓国文学を読んだこともなく普段なら手に取ることはなかった本です。
情景描写や心象風景がとても美しく表現されていて、
斎藤真理子さんの訳も素晴らしく心に残りました。
ハン・ガンさんはノーベル文学賞と英国のブッカー国際賞を
アジア人で初めて受賞した作家さんでした。

ある日突然言葉を話せなくなった女性が、
言葉を取り戻すために古典ギリシャ語の教室に通い始め、
そこで、少しづつ視力を失っていく男性講師と出逢います。
二人とも若いころ、様々な痛みを伴う経験を経て今を生きています。
はじめは全く分かりあうことのなかった二人。
まるで詩のように記されていく、
それぞれが過ごしてきた過去が交互に明らかになっていきます。
講師は古典ギリシャ語とともに哲学を語ります。
それぞれが失ったものは何か、
人間の本質とは何かを静かに解いていきます。
古典ギリシャ語には、「受動態」にも「能動態」にも属さない
「中動態」という概念があると紹介されていました。
お互いの現実は少しも変わらず
この先も苦しいことがあるだろうことは容易に予想がつきます。
それでも心を寄せあう二人に
少し希望の光がさしているような最後が印象的でした。

「雪が空から降ってくる沈黙なら、雨は空から落ちてくる終わりのない文章」
という一節を読んだとき、
佐野元春のNEW AGE が頭の中に流れてきました。

【ほし太の日向ぼっこ】

日時: 2026年04月08日 10:48