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ババヤガの夜  王谷晶 著  河出文庫

英国推理作家協会が、
優れた犯罪小説やミステリー小説に贈る、
CWA賞(ダガー賞)の翻訳部門で本作の英訳版が受賞。
日本人作家として初めての快挙ということで、
とても興味がわきました。
内容はバイオレンスアクションらしく、
普段ならおそらく手に取ることはなかったと思いますが、
読み始めると約200ページをほぼ一気読みでした。

内容は日本のヤクザの内側を生々しく描写し、
暴力シーンもかなりショッキングでした。
主人公の新道依子は、幼いころから祖父に過酷な鍛錬を強いられ
規格外の戦闘能力を持つ22才の女性。
唯一の趣味が「暴力」だという。
ある日、関東有数の暴力団「内樹會」に拉致され、
組長の一人娘の護衛を命じられる。
深窓の令嬢として育てられた内樹尚子は、
日々大学とお稽古ごとに通うだけの
まるで人形のように表情がない華奢な少女。
実は父親やその婚約者から、
想像を絶するような暴力と支配を受けている。
最初は全く交わることのなかった二人が、
次第に心が通じるようになり、
ある日予想もつかない事件が起きたことから
二人で屋敷を逃げ出すことになり、
壮絶な逃亡生活が始まります。
実はここで作者の意図的なミスリードがあり、
どんでん返しの様なラストへと向かいます。

ババヤガというのは、
スラブ民話に登場する老婆のことで、
森の中、鶏の足の上に立つ小屋に住んでいる。
というのがストーリー中で語られますが、
それが一つのキーとなっていきます。
えげつない描写が多く、
二人の今後もはっきりとは描かれていません。
回収されないエピソードについては、
想像するとぞっとしますが、
読後に不思議と嫌な気持ちにはなりませんでした。

【ほし太の日向ぼっこ】

日時: 2026年04月24日 16:42