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劇団spac 演劇 顕れ~女神イニイエの涙~ 演出:宮城聡

劇団SPACの新作「顕れ~女神イニイエの涙~」を観劇しました。
これまで何回もSPACの新作をみていますが、
毎回、今回のが最高傑作!といつも感動します。
「顕れ」も期待以上の素晴らしい演劇でした。

原作はアフリカのカメルーン出身の作家レオノーラ・ミアノさんによって、
2015年に書かれた新しい戯曲であり、
題材が環大西洋三角貿易(いわゆる奴隷貿易)ということで、
今までSPACで扱ってきたものとは少し違うのかな?と思っていました。

ところが、観劇後に感じたのは、
今までSPACで取り上げてきた戯曲とのたくさんの共通点でした。
「ミヤギ能 オセロー」「アンティゴネ」「冬物語」と、
私たち日本人の感覚に沿う鎮魂の物語は、今回の「顕れ」にも続いていました。

女神イニイエは、生まれ来る赤んぼうに宿る魂マイブイエたちが、
最近地上に生まれ出ることを拒否する「魂のストライキ」を起こしていることを知り、
マイブイエたちを問い質します。

マイブイエが訴えたのは、
地上に向かう途中さまよえる魂ウブントゥに出会い彼らの話しを聞いたことでした。

ウブントゥは、奴隷にされ船で運ばれる途中で命を落とし、
弔われることなく死んでいったものたちであり、
二度と人間として生まれることのない魂たち。
ウブントゥたちの願いは、奴隷貿易に加担した「一千年の罪びと」たちを呼び出し、
彼らの言い分を自分たちにも聞かせてほしいというもの。

こうして「灰色の谷」のそば、イニイエ様の目の前に
一千年の罪びとたちが呼ばれ、彼らの証言を聞く裁きが始まります。

一千年の罪びととは、始まりの国の王3人と、神と人間とをつなぐ役割であった巫女、
奴隷の子でありながら自分も人間の売り買いに手を染めたもの。
それぞれの言い分を聞くと、人間の弱さと欲望、身勝手さが次々と顕れます。

これは実際に起こった悲惨な事件です。
遠い国のはるか昔のできごとと他人事とは到底思えませんでした。
今でも同じようなことはいつでも起こり得ることです。

もし自分が彼らの立場になったら、彼らのような過ちを起こさないと言えるのか、
観劇しながらずっとそのことを考えずにはいられませんでした。

けれども、最後にイニイエ様が私たちに語りかける言葉と慈愛に満ちた表情に、
私自身も救われ、希望の光が見えました。

この演劇は世界中の人々にみせたい、そしてみてもらえたら、
きっと、世界は今より平和で心安らかな場所になると思います。

次の日曜日、2月3日で一般公開は終了してしまいます。
私たち夫婦は3回目の観劇を申し込みましたが、
是非また近いうちに再演し、一人でも多くの人にみてもらいたいです。

【ほし太の日向ぼっこ】

日時: 2019年01月29日 17:19