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そして、バトンは渡された 瀬尾まいこ 著  文藝春秋

『本屋大賞2019』に選ばれた、瀬尾まいこさんの、
『そして、バトンは渡された』を読みました。
読む前から、複数の親に育てられた子の物語、と知っていたので、
いったいどんな事情でどんな育ち方をするのかがとても興味がありました。

森宮優子は高校3年生。
3歳の時に母親が交通事故で亡くなり、
その後父親の再婚相手の梨花さん、
梨花さんの再婚相手の泉ヶ原さん、そして森宮さんという、
2人の母親と3人の父親に育てられます。

そのいきさつについては省略しますが、
17歳になるまでに、家族の形態は7回、苗字も4回変わります。
そのたびに、衣食住の環境はもちろん経済事情も変化します。
けれども、変わらないのは、どの親にも深く愛情を注がれたため、
心身ともに健康で、まっとうな、たくましい女性に育ちます。

特に森宮さんとのエピソードには食事のシーンが多く、
読んでいて餃子が食べたくなったり、ケーキが食べたくなったりしました。

実の親でさえも子供を虐待している現実を考えると、
この物語はファンタジーとも思えますが、
梨花さんが話した子育てについての言葉、
「親になることは未来が二つになること」
というのはとても合点がいきました。
できれば子育て中のすべての親が、
こういう気持ちをもって子育てしていることを願ってやみません。

最後に、台風19号によって尊い命を落とされた方のご冥福と、
甚大な被害を受けられた皆様の一日も早い復旧をお祈りいたします。

【ほし太の日向ぼっこ】

日時: 2019年10月13日 13:14