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しらふで生きる 町田 康 著 幻冬舎

NHKラジオすっぴん!の金曜日の名物コーナー、
「源ちゃんのゲンダイ国語」で取り上げられた本、
『しらふで生きる』を読みました。
(すっぴん!については来週で終了と発表されていてとても残念です)

この本は、30年間毎日お酒を飲み続けた作家の町田康さんが、
ある日急に「酒をよそう、飲むのをやめよう」と思い、
禁酒に至った顛末を一冊の単行本にまとめたものです。
我が家には30年以上、
毎日幸せそうに酒を飲み続けている連れ合いが一人いるので、
興味が湧いて読んでみることにしました。

序盤は、大友旅人の和歌を引用し酒無くして何が人生かと滔々と述べます。
例えば『なかなかに人とあらずは酒壺になりにてしかも酒に染みなむ』
(なまなかに人間であるよりは、酒壺になってしまいたい。
そうしたら酒に浸っていられるだろう。)とか、

『あな醜し賢しらをすと酒飲まぬ人をよく見ば猿にかも似む』
(ああ見苦しい、賢明ぶって酒を飲まない人を見ると猿にでも似ているようだ)とか、
さんざんな表現ですが、
そんな町田さんが4年前の年末に急に禁酒を思い立った理由と方法は・・・。

ユーモアを交えたとてもユニークな文章で面白く読めましたが、
思考の過程が哲学的で、読了するのに少々時間がかかりました。
そして断酒をするという行為を通して生き方も説いている本に感じました。

【ほし太の日向ぼっこ】

日時: 2020年03月07日 14:12