10月15日に静岡グランシップで開催された、
「本と音楽の素敵な出会い」に行ってきました。
2023年の本屋大賞第2位に選ばれた「ラブカは静かに弓を持つ」は、
チェロの演奏シーンがとても印象的な物語でした。
その著者である、安壇美緒さんのトークと、
チェロの演奏を楽しむという趣旨のこの会の事を知り、
早々にチケットを購入し楽しみにしていました。
プログラムの第一部はトーク・ステージ。
ナビゲーターの浦久俊彦さんが安壇美緒さんに質問を投げかけてのトークでした。
浦久さんは文筆家で文化芸術のプロデューサーでもあり、
私たちが興味のあることを、
堅苦しくなく上手く聞き出してくれていました。
作家さんのお話を聞く機会はあまりないのでとても面白かったです。
第2部は演奏ステージ
一部は短くまとめられ演奏をたっぷりと聴けたのもよかったです。
チェリストは浜松在住の横坂源さんという方で、
プロフィールを読ませていただくとお若いながら輝かしい実績の持ち主で、
一曲目の、
J.Sバッハ:無伴奏チェロ組曲第一番 ト長調BWV1007よりプレリュード
を聴いてすぐに心をわしづかみされました。
二曲目がカッチーニのアヴェ・マリア、
三曲目はブラームス:5つの歌曲Op.105より第1曲「歌の調べのように」
四曲目はフォーレ:蝶々 Op.77
五曲目はピアソラ:ル・グラン・タンゴ
六曲目はカサド:親愛なる言葉
七曲目はラフマニノフ:チェロ・ソナタ ト短調Op.19より第3楽章
知っている曲も初めての曲もありましたが、
好きな作曲家の作品が多くてとても楽しめました。
伴奏のピアニストは沼沢淑音さん。
ピアノもかなり高度な演奏で聴き応えがありました。
後でお聞きしたのですがお二人は高校の同級生ということで息もぴったりでした。
第3部はトーク&コンサート・ステージ
浦久さんと安壇さんに、横坂さんも交えてのお話と演奏でした。
ここでのお話がとても面白かったです。
演奏は、
メンデルスゾーン:歌の翼に
エルガー:愛の挨拶
エルガー:チェロ協奏曲より 第一楽章
同じエルガーの作品でも愛の挨拶は、プロポーズの際に、
チェロ協奏曲は、奥様が亡くなる前に作曲されたという全く違う作風でした。
第4部はプレゼント・ステージ。
アンコールに代えてということで
横坂さんからのプレゼント曲としてフランク・シナトラの「マイ・ウェイ」を、
安壇さんからのプレゼント曲として、
坂本龍一さんの「戦場のメリークリスマス」の演奏を聴かせていただきました。
これで終了かなと思ったところへ最後にアンコールとして、
「ニュー・シネマ・パラダイス」の演奏で締めくくられました。
チェロの音は人の声に近いと言われているそうで、
(実際は4オクターブ出るそうですが)
低音の響きと高音の繊細な音、どちらも胸に響く心地よい音でした。
横坂さんの演奏はまた機会があったら是非聴きにいきたくなりました。
素敵な会でした。
【ほし太の日向ぼっこ】