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映画『くちづけ』 監督 堤 幸彦

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今年初めての試写会。
上演に先立ち、脚本、主演をつとめた宅間孝行氏の舞台挨拶がありました。

そのお話の中で…、この“くちづけ”という映画は、
2010年に宅間さんが主催する劇団(「東京セレソンデラックス」)の
舞台として上演されたものだということ。
それを堤監督が観てぜひ映画化したいと希望されたこと。
舞台の雰囲気そのままを映画にしたいという監督の希望で、
普通の映画よりも演劇に近い演出としたこと。
そして、舞台化のきっかけは新聞の片隅に載った実在の事件だったということなど、
たくさんのお話が聞けました。

ひまわりホームという知的障がい者のグループホームを舞台に、
笑いあり、涙あり、そして現代社会の問題点をも浮き彫りにしたとても社会派の映画でした。

宅間さん、貫地谷しほりさん、竹中直人さんという主演の三人と、
周りを支える俳優たち、それぞれの実力者たちの熱演がとても光っていました。

劇中に出てくる部外者の女子高生や健常者たちの台詞は、
事実を知ろうともしない私たちが持っている偏見を、
そのまま表現していて見ていて悲しくなりました。

観終わった後、もし自分だったらどういう道を選んだだろうか…。
同じことをしてしまうかもしれないと、切なさが頭の中をぐるぐるしました。

【ほし太の日向ぼっこ】

日時: 2013年05月16日 07:29