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色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年

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村上作品ということで、かなり覚悟して読み始めたのですが、
この物語はわかりやすかったです。
そして寝る時間を削っても一気に読み終わりたくなる本でした。

でも、いくつかのエピソードは完結しないまま物語が終了してしまうため、
いささか消化不良なところはあります。
それは作者の意図で、読み手に解釈を委ねているのでしょう。

読み終えた後ほかの方の感想ブログを読ませていただきましたが、
みなさんそこまで深く追求して読んでいるのかと舌を巻いてしまいました。
村上作品に対する思い入れの強さを感じました。

私はそれほど沢山村上作品を読んでいるわけではないので、
自分自身の様々な記憶や感情が想起させられました。

どんな人にも、その人の色彩があります。
それは生まれもった色に、成長しながら色を重ね完成していくものだと思います。

『まるで航行している船のデッキから夜の海に、突然一人で放り出されたような…』
そんな絶望的な状況でも、なんとかもがきながらも泳いでいくしかないし、
人は立ち上がり、生きていく強さがあると信じたいです。

【ほし太の日向ぼっこ】

日時: 2013年09月09日 16:02