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ふじのくに⇔せかい演劇祭 2015 「ふたりの女」

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SPAC総監督 宮城聡さん演出、
能の「葵上」とチェーホフの「六号室」を合わせて唐十郎が書き上げた戯曲
「ふたりの女 平成版ふたりの面妖があなたに絡む」を観ました。

日本平の山の中腹にある野外劇場、18時開演。
まだ薄明りの残る中、オープニングは伊豆の精神病院に勤める光一が、
婚約者であるアオイに向けて砂浜にラブレターを書いているシーンから。

舞台暗転して精神病院の中、影に映る怪しげな患者たちの蠢きと大音量。
そこで私は知らない60年代にタイムスリップしたような感覚になりました。

患者たちの衣装を見て、この前から芸術劇場で見かけていたのは、
この患者役の役者さんたちだったのかと納得したのもつかのま、
すぐにその奇妙な演技に引き込まれました。

婚約者のアオイとよく似た美人患者の六条から鍵を渡されて、
次のシーンは、富士スピードウェイ。

有名な車寄せの場面を現代に置き換えるとこうなるのかと妙に感心しました。

あたりが暗くなっていくとともに、舞台にも暗雲が立ち込めます。

アオイと六条、二役のたきいみきさんをはじめ、
そうそうたるメンバーによる、狂気を目の当たりにする90分間。

途中思いもよらないサプライズがあり、楽しい場面もありますが、
狂気と正常とは常に表裏一体なんだなぁと感じ、
自分の中にも狂気は潜んでいるのではと思わせる怖い演劇でした。

【ほし太の日向ぼっこ】

日時: 2015年05月01日 16:59